「『治ってから出社してくれ』と無茶を言われた人も」大人の発達障害、当事者が直面する就労の困難 #今つらいあなたへ
太田所長は、社会のあり方に疑問を投げかける。 「そもそもコミュニケーション能力って、そんなに必要なんですかね。コミュ力は人が持っている個性の一側面に過ぎないのに、それが人間の価値を測る尺度の最上位にきていて、いびつな感じがします。もっと多面的に人の個性を評価する社会になれば、多くの人が生きやすい社会になるのでは」 大人の発達障害が増えているという事象は、多くの人の生きづらさが、生き方の幅の狭さからきていることを、裏返しに証明しているのかもしれない。 --- 神田憲行(かんだ・のりゆき) 1963年、大阪市生まれ。関西大学法学部卒業。師匠はジャーナリストの故・黒田清氏。昭和からフリーライターの仕事を始めて現在に至る。主な著書に『ハノイの純情、サイゴンの夢』、『横浜vs.PL学園』(共著)、『「謎」の進学校 麻布の教え』、将棋の森信雄一門をテーマにした『一門』など。