荒川修作+マドリン・ギンズ、奈良美智、和合亮一、服部文祥+石川竜一… 多彩な顔ぶれ勢ぞろい 「あいち2022」参加作家第2弾発表
「表現の不自由展・その後」などが話題になった「あいちトリエンナーレ」を引き継いだ国際芸術祭「あいち2022」。愛知県で今年の夏から秋にかけて開催されるこのイベントの参加アーティストの第2弾発表が15日、名古屋市内であった。 国際芸術祭「あいち2022」のテーマは「STILL ALIVE」 片岡芸術監督が発表 昨年8月発表の22組に55組が追加され、世界31の国と地域から77組がリストアップ。「STILL ALIVE 今、を生き抜くアートのちから」のテーマの下、愛知県内4つの会場で7月30日から10月10日まで、多彩な現代アート作品が披露される。
芸術監督「コロナの収束待ちながら」準備
発表会見の冒頭、芸術監督を務める片岡真実さんは「2020年秋に芸術監督になったときは、今ごろにはコロナが収束していると思っていた。収束を待ちながらになるが、このテーマをどう多角的に解釈していけるのかを自らに問い掛けている」と話した。 参加アーティストは、美術家の島袋道浩さんら世界各地のアドバイザー9人が推薦した作家から選定された。現時点で日本生まれの作家は全体の43%、日本を活動拠点としている作家は26%。男女比は男性44組に対し女性32組、男女混合が1組。なお、現代美術展ではさらに数人の参加アーティストを3月に発表、パフォーミングアートとラーニング・プログラムについても3月以降に発表予定だという。
繊維や焼き物、街の特色生かした展示も
メイン会場となる愛知芸術文化センターでは38組が出展。開催テーマの基となった「I Am Still Alive」シリーズで知られる愛知県生まれのアーティスト河原温さんが1970年代以降に手がけた作品を出し、それに呼応した新作を青森県生まれのアーティスト、奥村雄樹さんが出品する。また、岐阜県の公園施設「養老天命反転地」などダイナミックな造形作品で世界的に活躍した故荒川修作さんと故マドリン・ギンズさんの作品も展示。福島県の詩人、和合亮一さんも作品を発表するという。 「繊維の街」として知られる愛知県一宮市の会場では、愛知県立芸術大卒のアーティスト、奈良美智さんをはじめ、南アフリカやケニアのアーティストが旧看護専門学校などの建物で作品を発表する。「焼き物の街」として知られる愛知県常滑市では陶管を製造していた工場を会場とした展示、「有松絞り」で知られる名古屋市の有松地区では古い街並みを生かした展示がそれぞれ予定されているなど、会場ごとに特色が表れるという。
常滑会場では「サバイバル登山家」として有名な服部文祥さんと写真家・石川竜一さんが昨年、北海道南西部で挑んだサバイバル登山を基にした新作も披露される。 組織委員会の大林剛郎・大林組会長は「感染防止対策を十分に講じた上で、この夏に皆さんをお迎えできるよう引き続きしっかり準備を進めたい」と決意を述べた。 チケットは期間中、各会場を何回でも鑑賞できるフリーパスが一般3000円(前売り2500円)、高校生以上の学生は2000円(同1700円)、中学生以下と障害者手帳を持つ人、その付添者1人は無料。 (関口威人/nameken)