国際芸術祭「あいち2022」のテーマは「STILL ALIVE」 片岡芸術監督が発表
「あいちトリエンナーレ」を引き継いで2022年に愛知県で開催される国際芸術祭「あいち2022」のテーマ・コンセプトが22日、「STILL ALIVE 今、を生き抜くアートのちから」と発表された。芸術監督の片岡真実・森美術館館長は名古屋市内で開いた会見で「普通に生きていくことがどのくらい大変なのかをこの1年間、世界中が実感した。こういう時期にアートが必要なのかという問い掛けもあるが、衣食住とは異なるレベルでの生きる力になると信じている。不安や恐れを感じている人たちに、芸術祭を通して少しでも生きる力を受けていただきたい」と述べた。 国際芸術祭「あいち2022」のテーマは「STILL ALIVE」 片岡芸術監督が発表(2020年12月22日)
コロナ禍で“生存証明”の意味考える
旧あいちトリエンナーレは2010年の初開催以来、民間出身の芸術監督が全体のテーマやコンセプトを決め、作家や作品を選定してきた。初回は「都市の祝祭」、13年は「揺れる大地」、16年は「虹のキャラバンサライ」、そして波紋を呼んだ昨年は「情の時代」だった。 今回、運営体制は一新されたがその形式は引き継ぎ、先月就任した片岡芸術監督がテーマ・コンセプトを決定した。 片岡監督は「STILL ALIVE」のテーマについて、愛知県出身のコンセプチュアル・アーティスト、河原温が1970年代以降に発表した作品「I AM STILL ALIVE」シリーズに着想を得ていると説明。 電報で「私はまだ生きている」という“生存証明”を発信し続けた河原の行為としての作品が、コロナ禍以降の時代で「あらためて意味を成すのでは」と片岡監督は考えたという。
参加アーティストの数は「例年並み」
2年後の展覧会では、この「STILL ALIVE」を多角的に解釈し、過去・現在・未来という時間軸を往来したり、「類型化されてきた芸術分野の狭間」に光を当てたり、あるいは身体表現や五感によるアート、ラーニング・プログラムを通じて体験や感動を提供したいという。 具体的には今後、選定するキュレーターや作家と詰めていく。参加アーティストの数は「とりあえず例年並み。著しく増やしたり減らしたりすることは考えていない」とし、コロナ禍の移動制限があるため、当面は各地のキュレーターに動ける範囲でリサーチなどを任せていくことになるという。 (関口威人/nameken)