国際芸術祭「あいち2022」 ハートマークで「今を生き抜く」表現
「あいちトリエンナーレ」を引き継いで2022年に愛知県で開催される国際芸術祭「あいち2022」。そのロゴマークや参加アーティストの一部が23日、発表された。 国際芸術祭「あいち2022」のテーマは「STILL ALIVE」 片岡芸術監督が発表 ロゴマークは愛知県の形に見立てた赤いハート型で「今を生き抜く」という全体テーマを表す。参加アーティストからもコロナ禍の生活を題材とした作品などが出展される見込みだという。
参加アーティスト第一弾22組も発表
あいち2022の会期は来年7月30日~10月10日までの73日間。会場は名古屋市の愛知芸術文化センターと同市有松地区、愛知県一宮市、常滑市が予定されている。 片岡真実・芸術監督は同センター内で開いた会見で「先の見えない不確かな中で、想像力やクリエーションの力を働かせ、今をどう生き抜けるのか、生きるためのアートの力をお届けしたい」と述べた。 ロゴはグラフィックデザイナーの田中義久氏がデザイン。形は「生」を象徴する心臓のほか、愛知県の「愛」にも重なり、色はこの地域の祭りにゆかりのある伝統色「猩々緋(しょうじょうひ)」や常滑焼などをイメージしているという。 この日、発表された参加アーティストは22組で、国内外、男女比はそれぞれほぼ半々。日本人では全体テーマの元となった作品《I Am Still Alive》シリーズを手掛けた河原温氏をはじめ、遠藤薫氏、小杉大介氏、三輪美津子氏らが参加する。 海外からは、コロナ禍の1年の変化を50枚ほどの写真で追った作品を用意しているというアメリカのバイロン・キム氏、コロナ禍でマスクを題材とした作品を発表しているドイツ拠点の2人組アーティスト、プリンツ・ゴラームなどが出展する。 展示の詳細はまだ確定していないが、できるだけ「リアル」な展示を目指すという。今後、さらにアーティストを確定させ、最終的に現代美術で約80組、パフォーミングアーツで10組程度になる見込み。
不自由展には「関係していない」
一方、一昨年のあいちトリエンナーレの企画展「表現の不自由展・その後」については、今年7月に市民有志が企画した再展示が3日間で中断するなど、いまだに物議を醸している。片岡監督は「不自由展には私は一切、関係していない」として、一連の件で参加アーティストと情報交換や議論はしていないと述べた。 また、今回は事前に現代美術を学ぶ「ラーニング・プログラム」を充実させる。ラーニングキュレーターの山本高之氏は「アートが一部の愛好家のものでなく、地元の祭りみたいに捉えられるプログラムを考えたい」と話した。 (関口威人/nameken)