自然災害に備えるにもお金が必要…有事のときに顕在化する経済的格差。なぜ日本は「自助」がデフォルトなのか?
◆災害時に心配なこと 私は阪神・淡路大震災のときはまだ生まれておらず、東日本大震災のときは西日本にいたため、人生で災害を経験したことがない。 個人的には、災害時に心配なことがある。虚弱体質なので、常備薬の種類がとにかく多い。薬がないと生活ができない。また、胃腸が弱く、食べられるものが限られている。よく消化不良を起こし、胃腸炎になって救急外来に駆け込むこともある。いままで起きた地震のときの様子を見ると、炊き出しのメニューは消化に悪そうなものが多い。健康な人は高カロリーなもののほうがエネルギーを補給できるから好ましいだろう。 しかし、私は食べられないものも多い。炊き出しのメニューが食べられないとなると、レトルトのおかゆなどを自分で用意するしかない。でも、一体自力で何日分用意できるだろう。 胃腸が弱いに限らず、アレルギーがあったり、病気で食べられるものが制限されているといった人たちもいるだろう。災害時は資源が限られるため、細かな対応は難しいだろう。こういった制限があると、さらに生き抜く難易度があがる。
◆基本的に日本社会は「自助」がデフォルト 日本は地震大国なのに、復興の支援や避難所の整備といった面で脆弱さを感じる場面が多い。阪神・淡路大震災や東日本大震災を経験しているというのに、いまだに避難所は雑魚寝スタイルが基本。 今年1月に起きた能登地震では、いまだに復興が進んでおらず、避難所で過酷な生活を強いられている人が大勢いるという。いままでいくらでも対策を練る時間や機会はあったはずだが、なぜここまで復興が進まないのか。 明日は我が身、と恐ろしい気持ちになる。酷暑が続く今、停電でも起きたら熱中症でたくさんの人が亡くなりそうだ。 基本的に日本社会は「自助」がデフォルト(政治家が好んで「まずは自助」という言葉を使っている)。普段払っている税金が、災害対策にこそ使われて欲しいと思うが、いままでの状況を見ると、自分たちでできる限りの対策をするしかなさそうだ。完璧は難しくても、できる範囲で備えていくしかない。
ヒオカ
【関連記事】
- いざというとき、安否確認をどうする?災害時に便利なLINE活用法。LINEは東日本大震災の「電話が繋がらない」がきっかけで誕生した
- 災害時に便利なLINE活用法。東日本大震災の「電話が繋がらない」がきっかけで誕生したLINEは「安否確認」にも活用できる
- ヒオカ「3年間で東京23区で742人、若者の孤独死という衝撃の真実。それに関係する〈セルフネグレクト〉が社会問題に」
- 激しい頭痛で生きる気力を奪われて。鎮痛剤の飲み過ぎで肝臓に影響、ついに頭痛外来へ。月に1万円は痛いけれど、背に腹は代えられない
- ちゃんみなさんが結婚・妊娠を発表。ヒオカ「推しの〈ちゃんみな〉ライブ初体験。豊かさとは、最低限の衣食住だけで生まれるものではないのだと悟る」