和菓子職人が教える、初心者も時短でできる「本格あんこ」の作り方
文/鈴木拓也 和菓子好きであれば、「いつかは自分で和菓子を作ってみたい」と思うもの。 写真はこちらから→和菓子職人が教える、初心者も時短でできる「本格あんこ」の作り方 しかし、そのハードルは高そう。特に一から作るあんこの菓子は、「素人では難しい」と臆してしまうかもしれない。 そんな心のハードルを押し下げてくれる1冊が刊行された。書名は『本格あんこが作れる本 だれでもできる、和菓子屋の味』(世界文化社)。和菓子職人で「菓匠大須賀」の店主である、大須賀麻由美さんの初めての著書だ。 本書は、大豆、金時豆、大福(おおふく)豆、白花豆、紫花豆を素材とした、各種あんこの作り方を網羅したガイドブック。豊富な写真と解説で、初心者にもわかりやすい内容となっている。今回は、その一部を紹介してみよう。
鍋と圧力鍋で時短で作る粒あん
「本格あんこ」は、小豆の粒あんだと出来上がるまで一両日かかる。これは2回目の蜜漬けで半日置くためだが、何度も「びっくり水」を加える下煮から始まって、最後の練り作業へと至る実作業だけでも、およそ90分要する。 他方、時短で作れる小豆あんのレシピも何通りか記されている。その1つ、鍋と圧力鍋を使って全工程が1時間で終わる方法を以下に取り上げる。仕事などで忙しく、少しでも時間を節約したいという方は、まずこちらの作り方からスタートしてみるといいだろう。 【材料(作りやすい分量)】 ・小豆……200g ・砂糖……170g 【作り方(工程写真は割愛)】 1. 小豆を流水で洗い、ザルにあける。 2. 鍋に小豆を入れて、ひたひたになるくらいまで水を注ぐ。強火にかける。沸騰してきたら、中~強火にする。 3. 煮た小豆をザルにあけて煮汁を切る。 4. 圧力鍋に小豆と水700mlを入れ、蓋をして中火にかける。しゅんしゅんと湯気が立ってきたら弱火にして、そのまま7分かける。 5. 火を止めて、圧力を抜いて5分置く。流水を1分かけて急冷し、圧が抜けたのを確認してから蓋を開け、小豆を取り出し水気をきる。 6. 小豆を圧力鍋に戻し、水少々と砂糖半量を加えて、中~強火にかけて煮る。 7. 5分経ったら蓋を開け、残りの砂糖を加え、さらに中~強火にかけて、ほどよく水分が飛ぶまでへらで練って出来上がり。