羽毛を使わないダウンジャケットの衝撃!住友金属鉱山の「SOLAMENT®」が描く洋服の未来とは
ー使い方次第では、あらゆる業界で活躍しそうな素材ですね。 現在の販売でいうと、車の窓ガラスが最も多いです。また、農業用のビニールハウスへの用途も非常に評価が高いですね。 ビニールハウスの内部は非常に高温になるので、農家さんの労働環境は過酷な状況で、夏場は朝10時くらいまでしか働けなかったようです。それが「SOLAMENT®」の遮熱効果によって、お昼すぎまで働けるようになり、かつ光は通すので、しっかりと作物が育つという環境が得られるようになりました。
ー太陽光を利用するので、他にも用途がありそうですね。 「SOLAMENT® for SKIN」では、肌老化の原因となる赤外線をブロックする役割があります。一般的に、紫外線が日焼けやシミの原因とされていますが、最近の研究では、近赤外線が肌への直接的な作用が大きいことが判明し、そこに対策できるということで注目されています。 さらには、「SOLAMENT® for PRIVACY」があります。水泳やビーチバレーなどのスポーツをされる方は、盗撮に悩まされ、本来の力を十分に発揮できていないケースがあります。そうした方たちのユニフォームに用いることで、その被害から救うことができます。実際に、国際大会などで弊社の素材が使われていると耳にしています。
「SOLAMENT®」を象徴する「DOWN-LESS DOWN JACKET」
ー「DOWN-LESS DOWN JACKET」について教えてください。 こちらは「SOLAMENT®」の機能を紹介するために、アクセンチュア ソング傘下のクリエイティブ・エージェンシーであるDroga5さんとコラボレーションして作成したもので、実際に商品化するための試作品ではなく、あくまでも「SOLAMENT®」のコンセプトを伝えるために打ち出しています。 第2弾、第3弾として発表した「SHADE-LESS SUN HAT」や「BULK-LESS SOLAR SCARF」も同様です。
ーこれらのプロモーションの狙いを教えてください。 「SOLAMENT®」自体は青色の金属なので、どういった機能があるのか伝えづらいんですね。そこで、「DOWN-LESS DOWN JACKET」を作ることで、その魅力を発信しやすくなりました。 発熱や保温と聞くと、黒色を想像すると思います。ところが、「SOLAMENT®」は青色の金属です。でも、目の前にある「DOWN-LESS DOWN JACKET」は無色。これだけでも、十分に興味を引くことができます。 この仕組みはシンプルで、粉末状ないしはペレット状の「SOLAMENT®」を加工して、糸に練り込みます。その際、使用する分量としては非常に少量なので、「SOLAMENT®」の青色はほとんど反映されません。 そのため、色やデザインを損なうことなく、これまで以上に暖かさを保てるアパレルが展開できるようになります。