羽毛を使わないダウンジャケットの衝撃!住友金属鉱山の「SOLAMENT®」が描く洋服の未来とは
ーアパレル業界の人からすると、驚きの素材ですね。 これらのプロモーションの目的は、アパレル関係者だけに向けたものではありません。弊社としては、お客様が「自分たちならこういう風に使えるんじゃないか」といったアイディアを想起してほしいと思っています。 「DOWN-LESS DOWN JACKET」でも「SHADE-LESS SUN HAT」でも構いません。透明という斬新なデザインとその機能に注目して、これまで以上に魅力ある商品を展開してほしいというのが本心です。 ー金属を繊維に練り込むとのことですが、効果の持続性は半永久的なのでしょうか。 耐久性は、それを使用する対象によって変わってきます。たとえば、先にお話しした窓ガラスに用いる場合、基本的には「SOLAMENT®」を含んだフィルムを貼ります。この場合、先にフィルムの寿命がやってきます。 衣料も同じですね。「SOLAMENT®」の機能よりも、先に繊維が駄目になります。洗濯しても、「SOLAMENT®」自体の機能が落ちないことはすでに実証実験で証明済みです。 ーこれだけユニークな機能を持っていると、展示会でも注目の的でしょうね。 米国テキサス州で開催されたSXSW(サウス・バイ・サウスウェスト)に出展した際は、非常に多くのメディアに注目していただきました。日本の方は目新しさをピックアップしていましたが、海外の方は自分たちの業種ならどう使えるかといったことや、デザインに対する高い評価を頂きました。 実際に「DOWN-LESS DOWN JACKET」は、デザインアワードやCLIOなど、いくつかの賞を受賞しています。 この展示会をきっかけに多くの企業様に知っていただくことができ、アウトドアブランドやNASAからも声がかかるようになりました。
地球への恩返しをしたい
ーこれから徐々に広まりを見せる「SOLAMENT®」だと思いますが、今後の展開について教えてください。 SXSWで認知は広まったとはいえ、それはまだ一部の業界内だけの話です。アパレルやテック系以外の企業にもアプローチするために、引き続き、展示会には出展していきます。また、リアルイベントも開催していきたいですね。 もちろん、コンセプトを打ち出すだけでなく、実際の製品化に着手していくことも大切です。弊社の「SOLAMENT®」とお客様と知識やアイディアを掛け合わせて、これまで世の中になかったものを作り出していきます。 とはいえ、「SOLAMENT®」は一口に説明するのは難しい素材です。発熱ができ、遮熱もでき、さらには肌ダメージへの対策や盗撮防止にも一役買うことができる。伝え方も含めて、ブランディングしていきたいと思っています。 ー「SOLAMENT®」は、どのように社会を変えると考えていますか。 環境負荷が高い素材の置き換えだけでなく、農業労働環境の変化から作物生産の効率化、盗撮防止によるアスリートの競技環境の改善など、あらゆる環境を大きく変化させる可能性に満ちています。 「SOLAMENT®」に限らず、弊社の事業は地球の一部を頂いて成り立っているものです。ですから、その頂いた素材を元に、地球への恩返しをすることが使命だと感じています。そのためにも、この「SOLAMENT®」の魅力や可能性を、多くの人に知ってほしいですね。