国と自治体に“英断”求めた分科会提言 国民は「辟易している」
新型コロナウイルスの“第3波”の感染拡大が続く中、政府の対策分科会は11日、感染対策を予防的に打つための4段階の「ステージ」で、上から2番目に深刻なステージ3相当の地域を流行状況に応じて3分類してより強い対策を行うことなどを提言した。 【会見動画】分科会、ステージ3地域で想定される「3つのシナリオ」提言 尾身会長が会見 政府の観光支援策「Go Toトラベル」の運用見直しをはじめとする感染防止に向けた対策や、その根拠となるステージ判断において、国と自治体が連携して主体的、迅速に決断することを求めた。
●勝負の3週間
「『勝負の3週間』ということで国民にお願いしてきたが、現状をどう我々(分科会)が認識しているか」 3週間程度の短期間に絞り、営業時間の短縮要請やGo Toトラベルの運用見直しなどを分科会が提言したのは11月20日。感染が拡大する自治体と国でさまざまな対策が検討され、実施されてから12月中旬に3週間を迎える。そこで対策を延長・強化するのか、緩和するのか、感染状況を見て判断することになる。分科会の尾身茂会長は“第3波”に対するここまで状況を振り返っていくつかの課題を挙げた。 「多くの人は既に行動自粛に協力していただいている中、これ以上の行動自粛要請に対し、いわば辟易(へきえき)している」 どう表現するかは専門家の間でも議論が出たというが、最終的に「辟易」という言葉をこの日の提言に盛り込んだ。「もう分かったよ、それ以上まだ言うの? という感じ」と国民の“自粛要請疲れ”を代弁してみせた。
●Go Toトラベル
この日の分科会ではステージ3相当の地域について、感染状況に応じ「感染減少地域(シナリオ1)」「感染高止まり地域(シナリオ2)」「感染拡大継続地域(シナリオ3)」というふうに、さらに3分類してそれぞれ必要な対策を取ることを提言した。例えば感染拡大継続地域では、時短要請の強化や外出自粛要請などを求める内容だ。 その中で一つの焦点になったのがGo Toキャンペーンの扱いだった。提言の中では、Go Toトラベル、イートともに「シナリオ2」以上の段階から「ステージ3相当の対策が必要な地域では一時停止」と記した。ただ「シナリオ1」の項目では言及されていなかったため、分科会後の会見では記者から「シナリオ1でもトラベルは一時停止なのか?」と問われた。 尾身会長は「従来から我々はステージ3相当の地域では一時停止するべきだと申し上げてきた」と強調。「早く感染を下火にした方が、社会全体、経済も医療も含めてトータルとしてはより合理的だということ。(Go Toも)ステージ2になれば再開すればいいというのが考え」だと説明した。