身内が在宅看護を希望している。何から整えたら良い?寝床、食べ物、お風呂回り…5つのポイントをおさえましょう
◆一人で戦わないで Q:「いざとなったら」と今から不安なことだらけなのですが、するべきことが少し見えたような気がします。 そこでもう1つ、身内として「気持ち」の上で準備したらいいこと――先に心がけておきたいことなどはありますか? 心が折れないようにするための工夫や、アドバイスをください。 大切なのは「一人で背負わないようにすること」です。 自分だけで何とかしようとするのが、一番危ないのです……。人の手を借りる、介護保険やサービスなど公的なバックアップはもちろん、ヘルパーさんや近所の人、親戚含めて頼れるところは頼っていきましょう。 一人で戦わないでください。 「助けて」と言いに行くこと、SOSを出して良いのだということを今のうちに知っておきましょう。 「誰にもお願いできない」と、自分で抱えてしまう人がいるのですが、介護・看護はSOSを出すことが許される分野です。 1ヵ所でダメならば別の場所へ……相談先を変えて、まず話を聞いてもらえるところを探しましょう。 例えば東京都では、地域の包括支援センターに行く・ないし連絡するのが良いと思います。 また主治医がいる方は、推薦などもあるので、まず相談してみてください。
◆相手と自分の状況を比べない 次に「長く続けるため」を意識しましょう。 助けてもらうこと自体もそうですが、くたびれて、心が折れてしまっては、動けなくなります。 その為に重要なのは、「自分の趣味・自分の時間をしっかり確保すること」です。 これは物理的な時間もですが、「負い目なく」確保することを心がけて、それが長く関わるために必要だと自分自身にも分からせていく必要があります。 「お父さんは寝たきりなのに」「あの子は苦しいのに」などと、看護する相手と自分の状況を比べてしまわないこと。 切り分けて「私は私の時間を作る」ということが大事です。自分のことをケアする余裕が無くならないように心がけましょう。 具体的に、リフレッシュできるための時間を確保するために誰かを雇う・どこかにお願いする・何時間××をするなど想定しておくことも大切です。切羽詰まった状況では良いアイディアが浮かばないことも多いため、普段から切り替えるためのスイッチについて知っておくこともよいと思います。 ちょうど、「ストレス」への質問も来ていたので、次回またもう少し詳しくお話できればと思います。
渡部貴子