上京した大学生の娘が「通学定期券」でアルバイトなどに行っているようです。通学以外に利用して「不正利用」にならないのでしょうか?
地域によっては移動は自動車がメインで、電車やバスなどの公共交通機関をあまり利用しないということもあるでしょう。 そういった中、上京した子どもが「通学定期券を利用して、通学だけでなく遊びやアルバイトにも出掛けている」と聞くと、親は不安に思うこともあるのではないでしょうか。 「通学定期券は通学以外の目的には使ってはいけないのでは?」「定期券が没収されたり不正利用扱いにされたりしないのか?」などと考える人もいるかもしれません。 それでは、通学定期券の利用規則はどうなっているのでしょうか? 本記事では、通学定期券のルールや通学以外での使用に関する注意点を解説します。 ▼新幹線で1人で「2席分」の購入はNGなの? 規則を確認
通学定期券の購入可能区間は自宅と学校の最寄り駅間のみ! 通学以外に利用できる?
通学定期券は、通学用として購入する特別な定期券で、一般的に自宅の最寄り駅から学校の最寄り駅までの区間に限り、割安な料金で使えます。 この区間外に、アルバイト先や友人とよく遊びに行くスポットがあっても、通学定期券の区間を変えることはできません。どうしても定期券の区間を広げたい場合は、通勤定期券を購入する必要があるため、どちらがトータルで割安かを検討する必要があります。 ただし、一部例外もあります。例えば、名古屋市交通局が発行する市バス・地下鉄の「学生定期券」は、通学経路に限らず希望する区間・経路で購入できるようになっています。自分が使うエリアや交通機関の会社のルールを確認することも重要です。 通学定期券は、通学を目的とした使用が前提とされていますが、例えば、JR東日本の旅客営業規則には、通学以外の利用を理由に無効とする規則は見当たりません。つまり、自宅最寄り駅と学校最寄り駅の区間内の移動であれば、通常の定期券のルールに違反しない限り、通学以外にも通学定期券を使っても問題ないでしょう。
通学定期券が無効になる2つのケースに注意
ただし、JR東日本の旅客営業規則には、通学定期券が無効になる2つのケースが明記されています。どちらのケースもうっかりやりがちなものなので、規約違反となり、定期券が無効化されて回収されないように注意しましょう。 ■通学定期券の利用には証明書の携帯が必要 JR東日本の旅客営業規則では、通学定期乗車券を使用する旅客が、「証明書を携帯していないとき」に通学定期券を無効とし、回収するとしています。ここでいう証明書とは、定期券購入時に使用した通学証明書のことです。 証明書が独立して交付されるケースもありますが、学生証と一体になっているものもあります。証明書の提示を求められたときにすぐに応じられるよう、学校が休みの日でも証明書や学生証を持ち歩くよう伝えたほうが良いでしょう。 常に携帯できるように、証明書と定期券はセットでパスケースなどに入れておくようにしても良いかもしれません。 ■卒業後や退学後は通学定期券の利用は不可 もう1つ大切なのは、通学定期券を使えるのは通学証明書を発行した学校の学生だけであり、卒業や退学によりその資格を失った場合は使用できなくなる点です。JR東日本の旅客営業規則にも、通学定期乗車券を使用する旅客が、「その使用資格を失った後に使用したとき」に通学定期券を無効として回収するとしています。 特に注意が必要なのは卒業後でしょう。JR東日本は、通学定期券は卒業年度の3月31日まで使えるとしています。逆に言うと、有効期限が4月10日まで残っている場合でも、4月1日以降は定期券を使えません。 4月1日以降に使用した場合、定期券の回収に加え、不正利用として割増運賃が徴収される可能性があることに注意が必要です。
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