身内が在宅看護を希望している。何から整えたら良い?寝床、食べ物、お風呂回り…5つのポイントをおさえましょう
身近な人に看護・介護が必要になったとき、手助けは必要だが、どこにどう相談していいか分からない…。そんな方に向け、心の不調を予防する大人の相談所として東京・目黒に【メンタル保健室】を開設した看護師の渡部貴子さん。在宅看護の幕開け期の訪問看護ステーションの起ち上げにも携わった渡部さんの【ウェブ版:メンタル保健室】、改め【おとなの相談室】。「在宅医療に備えた相談」や「介護・看護される側、する側のメンタルケアのノウハウ」「話しづらい・聞きづらいけれど知りたいあれこれ」に答えてもらうコーナーです。 * * * * * * * ◆「おうち環境」を整えること Q:身内が在宅看護を希望している者です。まだ先の話だと思っていたのですが、このところ、現実味を帯びてきました。今のうちにできることをしておきたいと思います。 その中でも特に大きいのは住居・住宅に関することだと思うのですが、具体的に何を用意すればいいですか? また自分たち家族が、今のうちにしておいたほうがよいことがあればお聞かせください。 A:まず、こうして知識の準備をするために動けている段階で素晴らしいと思います。どこから手をつけていいのか、迷うことも多いと思いますが、看護で一番大事なのは、「おうち環境」を整えること……。 もちろん住居=建物の面もありますが、5つのポイントに分けて見ていきましょう。
◆(1)「寝床」を整備しよう 第一に用意をしたいのは、「寝床」です。 現在の状況はどうでしょうか。畳の上という方が多いのですが、寝返りが打てなかったり、床ずれができたり……寝ているばかりだと筋力も低下してしまい、「歩く」までの道のりが遠のいたりしてしまいます。 出来るだけ「起き上がりベッド」を利用しましょう。 腰が痛くならないような電動ベッドの活用をお勧めします。 予算が不安という方は「介護保険」を確認しましょう。 電動ベッドは、実はレンタルできるのです。福祉用具屋さんで取り揃えているものなので、活用を視野にいれ、目星をつけたいところです。 電動アシスト以外に、マットレスがふわふわで床ずれしにくいかどうかをチェックして選びましょう。