UFC人気スターのマクレガーが“堀口カーフ”でTKO負けの大番狂わせ…パッキャオ戦消滅で再起戦プランはどうなる?
マクレガーにとって昨年1月のドナルド・セラーニ(37、米国)戦で衝撃的な1ラウンド40秒TKO勝利を飾って以来1年ぶりの復帰戦だった。同6月にはSNSで通算3度目の引退表明をしていた。それだけに初のTKO負けのショックから4度目の引退宣言が口をつく可能性もあった。だが、ハッキリと再起を宣言した。 「またカムバックしたい。自分はアクティブでいたいんだ。ビジネスを続けるためには動きを止めてはダメだと思う。すぐにもやりたい。また立て直していく」 そうなると気になるのは再起路線だ。 ESPNや、米のMMA専門メディア、英サン紙なども、次に誰と対戦するかの予想記事を掲載している。マクレガーはUFCとの契約が4試合残っており、試合前には「1年半で7試合したい」とも語っていた。当初、ビッグマネーが期待されるプロボクシングの6階級制覇王者で現WBA世界ウェルター級スーパー王者のマニー・パッキャオ(42、フィリピン)とのボクシングルールによる異色マッチの話が水面下で具体化しているとも報じられていた。しかし、マクレガーが負けてその気運は一気に萎んでしまった。 再起戦はオクタゴンでの試合になるだろう。 ポワリエは、試合後、「マクレガーとの再戦に興味がある」と、再戦を受ける考えを明らかにした。だが、この試合を放映したESPNが、今後の見通しを伝える記事の中でリストアップした候補は、そのリベンジマッチではなく、過去1勝1敗のネイト・ディアス(35、米)との3度目対決、引退を宣言したままの現ライト級王者、ヌルマゴメドフとの再戦、UFC8連勝中のチャールズ・オリベイラ(31、ブラジル)、ライト級1位のジャスティン・ゲイジー(32、米)、同5位のトニー・ファーガソン(36、米)の5人の名前だ。 UFCのダナ・ホワイト社長は試合後に「ディアスとの3試合目がマクレガーに空いている。3試合目はいつでもある」と語り、またマクレガーが、2018年に敗れ、ずっと再戦が噂されていたヌルマゴメドフもツイート。「おまえがチームを変更するから、こういうことが起きるんだ。おまえをチャンピオンにしたスパーリングパートナーから離れて、現実から離れたガキらとスパーリングしているからだ」と挑発的なコメントを出した。 この発言にマクレガーは、試合後の会見で、すぐさま反応。 「彼は何がしたいんだ。復帰したいのか。失礼なコメントだな。復帰したいのなら再び戦おう。だからオレはここ(UFC)にいるんだ」 ただヌルマゴメドフはまだ引退を撤回していない。マクレガーが勝っていれば、彼を再びオクタゴンに引っ張り出す可能性も高まっていただろうが、こうなっては現実的ではない。 セミファイナルで、左フックからのパウンドの嵐で、ライト級6位のダン・フッカー(30、ニュージーランド)を2分30秒でTKOで下して鮮烈のUFCデビューを飾った元Bellator ライト級王者のマイケル・チャンドラー(34、米国)、オリベイラ、ポワリエの3つ巴で、ライト級の暫定王座、あるいは、王座を空位とすれば正規王座を争う可能性が高い。マクレガーの復帰戦も、この戦いの行方を見ながらになるだろう。5000万ドル(約52億円)のファイトマネーを提示してマクレガーに異色対決を呼びかけていたYouTuberのジェイク・ポールは、「おまえの価値は、もう10000ドル(約104万円)だ」と、痛烈にディスった。だが、ESPNは、番狂わせの敗戦でもマクレガーの市場価値が急落したとはとらえておらず「彼はダンスパートナーに困らない」と記している。