UFC元2階級王者コナー・マクレガーが度肝抜く”肩パンチ”から40秒TKO復活勝利。次の標的はパッキャオとの6万人新設ドームでのボクシングマッチ?
総合格闘技の「UFC246」が18日(日本時間19日)米国ラスベガスのTモバイルアリーナで行われ、メインでは、UFCの元2階級制覇王者のコナー・マクレガー(31、アイルランド)がウェルター級5分5ラウンドのルールで、ドナルド・セローニ(36、米国)と対戦、1ラウンド40秒でTKO勝利した。肩を相手の顔面にぶつける”肩パンチ”で度肝を抜き、1年3か月ぶりの復帰戦を衝撃的な秒殺勝利に変えた。マクレガーは、ボクシングの6階級王者で現WBA世界ウェルター級王者、マニー・パッキャオ(41、フィリピン)とのボクシングマッチを熱望しており復活したUFCスターの2020年戦線から目が離せなくなくなってきた。
「みんな!俺は帰ってきたぞ!」
インパクト抜群の復活劇だった。 ゴングと同時にマクレガーが飛び込んで左ストレートを見舞った。セローニは頭を下げてかわしたが、そのまま組みついたマクレガーが衝撃的な技を繰り出す。セローニの腕を抑え込んだ体勢のまま、飛び上がるようにして左肩をセローニの顔面に1発、2発、3発とぶつけたのだ。セローニは鼻から血が噴き出た。ショルダーパンチだ。 「あんなの見たことがない。考えたこともない。すぐに鼻血が出た。こんなに早くに、これれかよ、と思った」とは、試合後のセローニの回想。2連敗中だったが、34勝13敗1無効試合のキャリアを誇り、34勝のうち17勝がサブミッションでの1本勝ち、10勝がKO勝ちで、「鉄人カウボーイ」の異名を取るファイターも度肝を抜かれた。 その動揺をマクレガーは見逃さなかった。 電撃の左ハイキック。顎にヒットされたセローニは、よろけるようにして、がくっと後退、横を向いた。そこにマクレガーが襲いかかった。左ストレートを浴びせると、セローニは、顔面を両手でかばいながらケージ沿いに崩れた。マクレガーはパウンドの嵐。左の拳を打ち下ろし続け、レフェリーが割って入って試合を止めた。 TKOタイムは40秒。UFCのスーパースターの秒殺復活劇を目の当たりにした1万8500人のファンは総立ちになった。 2018年10月7日、「UFC 229」でライト級王者のハビブ・ヌルマゴメドフ(31、ロシア)に挑戦、4ラウンドに1本負けをし王座返り咲きに失敗して以来、1年3か月ぶりの復帰戦だった。その大事な試合を鮮烈秒殺で飾ったわけだが、マクレガーはガッツポーズをするわけでも、飛び上がるわけでもなく、冷静に勝利の味を噛みしめていた。 だが、リング上でのインタビューが始まると、いつものマクレガータイムが始まった。 「みんな!俺は帰ってきたぞ!」と絶叫。 「最高だ。俺は歴史を作っている。最速KOかどうか知らないが、フェザー級、ライト級、そしてウェルター級で記録と歴史を作っていきたい。凄くハッピーだ。チームが最高のサポートをしてくれた結果だ。そして会場のみんな最高の応援をしてくれたんだ」 一方的にしゃべりまくった。 会場のスクリーンに試合のVTRが流れ、肩パンチについて聞かれると「セローニは予測していなかったと思う。だから当たったんだ」と自画自賛。そして「UFCで戦う自分を誇りに思っている。これからも歴史を刻む。楽しみにしてくれ」と続けた。 アナウンサーが次戦について聞こうと話しかけたが、「質問なんていいんだ。それよりまずウィスキーだ。みんなでアフターパーティーをしたいんだ」と吠えた。 ただ3階級目のチャレジとなったウェルター級については、「この階級は大好きだ。力を感じる。どの階級でも戦っていけるし、やれることをやるだけ。でも、今は、まずは(祝勝の)アフターパーティーさ。そしてすぐにジムでトレーニングをはじめる。いつでも(次の戦いへの)準備ができている」とマシンガンのように語った。 この復帰戦に向けて3、4か月、禁酒を貫いた。それだけに「祝勝会」というキーワードがまず口をついたのだろう。 さて気になるのがマクレガーの次戦である。