UFC人気スターのマクレガーが“堀口カーフ”でTKO負けの大番狂わせ…パッキャオ戦消滅で再起戦プランはどうなる?
総合格闘技の「UFC257」が23日(日本時間24日)、アラブ首長国連邦・アブダビのヤス島に特設された「UFCファイトアイランド」で約2000人の観客の前で行われ、メインのライト級5分5ラウンドでは、元2階級制覇王者のコナー・マクレガー(32、アイルランド)が元UFCライト級暫定王者で同級2位のダスティン・ポワリエ(32、米国)に2ラウンド2分32秒にTKO負けするという番狂わせが起きた。マクレガーはポワリエが繰り出すカーフキックで右足を破壊され左右のKOパンチを浴びてオクタゴンに沈んだ。ポワリエはRIZINバンタム級王者の堀口恭司(30)と同門のアメリカントップチーム(ATT)所属。堀口が大晦日に朝倉海(27、トライフォース赤坂)を倒したチーム直伝のカーフキックが勝負を決めた。マクレガーは試合後「カムバックしたい」と宣言したが、どんな再起プランが練られるのか。両者の総合での通算成績はマクレガーが22勝5敗、ポワリエが27勝6敗1無効試合となった。
衝撃的結末に会場は騒然
マクレガーの右足のふくらはぎが赤く変色し始めていた。 2ラウンドの2分を過ぎると、突然、マクレガーの動きが失速した。1ラウンドまでは圧倒していたパンチのスピードもパワーも消えて空振りが目立ち始めた。執拗に蹴られ続けたカーフキックが効いていたのだ。ステップインができなくなったせいか、マクレガーは距離をつめて起死回生の左フックを狙う。だが、パンチは空を切り、逆にそのタイミングで同時に至近距離からカーフキックを蹴られた。2ラウンドに入って9発目となるカーフキックがカウンターの役目を果たしたのか。マクレガーはガクっと膝を曲げてバランスを崩した。 現ライト級王者のハビブ・ヌルマゴメドフ(ロシア)や、元ライト級王者のエディ・アルバレス(米国)、元フェザー級王者のマックス・ホロウェイ(米国)ら、数多くの強豪との試合をこなしてきたポワリエは、その隙を見逃さなかった。 「今日はテクニカルな試合をしようと考えていた。ショットに頼らずに相手をしっかりと見ることを頭に入れていた。ボクシングもキックボクシングもスキルとしてできるがやみくもに打つのはダメだと考えていた。彼のカウンターに気をつけなければならなかったからね」 ここまでディフェンスに徹して、あえて殴り合いに応じることを控えていたポワリエは、体を入れ替え、マクレガーに金網を背負わせ、一気にパンチの猛ラッシュに出る。 防戦一方となったマクレガーは強烈な左フックを浴びて反応が鈍くなると、そこに追撃の右フックを打たれ腰から崩れ落ちた。そこにトドメの右のパウンドを一発。レフェリーが試合を止め、マクレガーは右手で頭を抱え大の字になった。 まさかの衝撃的結末に場内は騒然。マクレガーにとってキャリア5敗目となるが、過去は、すべてグラップリングによる1本負けで、オクタゴンにのされるTKO負けは初めてである。セコンドの肩を借りてコーナーの椅子に座ったマクレガーは、カーフを蹴られた右足のダメージが酷くてしばらく立ち上がることができなかった。