北の富士さん、最後にお茶の間に姿を見せたのは7月「一緒に楽しみましょう」収録であいさつ
角界のご意見番だった元横綱北の富士氏が逝った。NHK相撲解説者の北の富士(本名・竹沢)勝昭氏が亡くなったことが20日までに分かった。82歳だった。70年初場所後に52代横綱に昇進して通算10度優勝。引退後は千代の富士、北勝海(現八角理事長)の両横綱らを育てた。協会幹部として期待されたが早期退職で解説者に転身し、歯に衣(きぬ)着せぬ論評で人気があった。12月、東京の八角部屋でお別れの会が開かれる予定。 【写真】70年、大鵬の自宅で玉乃島とポーズをとる北の富士さん ◇ ◇ ◇ 北の富士さんが最後にお茶の間に姿を見せたのは、名古屋場所初日の今年7月14日。解説を務めるNHK大相撲中継で幕内後半戦に入る前、収録で登場。あいさつした後、名古屋場所の展望として「さて今場所は照ノ富士が出場しますが、結果を残してもらいたいもんです。大関は豊昇龍が元気ですね。貴景勝は何とか頑張ってほしいもんです。特に期待したいのは先場所、優勝した大の里。今場所どんな相撲を見せるか楽しみです」と話した。 その後、初日の割を手に「照ノ富士とこれ(平戸海)はいい相撲を取るね」と期待。「それではみなさん、一緒に楽しみましょう」という言葉で締めくくった。 それまでに、昨年春場所から8場所連続で解説を“休場”。1年半ぶりの登場だった。多くのファンが完全復帰を待ちわびていたが、現在行われている九州場所も“全休”が伝えられていた。