東京五輪まで100日を海外メディアはどう報じたか…「悲観的な見方と不安が今なお残る」「ワクチン接種が1%以下は問題だ!」
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で1年延期となった東京五輪は14日で開幕までちょうど100日となった。このタイミングでIOC(国際オリンピック委員会)は、ジョン・コーツ調整委員長のインタビュー映像を公開。コーツ氏は、「大会は必ず開催され、7月23日に始まる。そのことは躊躇なく言える。予定通りに行われるのだ」と明言した。だが一方で、新型コロナウィルスの感染拡大の猛威は収まらず、大阪では公道での聖火リレーが中止され、万博記念公園内での無観客リレーに切り替えられ、愛媛県の松山市は、聖火リレーの中止を決定した。 いまだ開催に向けての不安が残る状況下での「東京五輪まで100日」のカウントダウンを海外メディアはどう報じたのか。 英ガーディアン紙は「東京まで100日。五輪が不気味に迫る中で、悲観的な見方と不安が日本になお残る」との見出しを取り、ネガティブな見解を報じた。 記事は、「(男子ゴルフの)松山英樹がパットを沈めて日曜日にマスターズで優勝した時、彼は日本男子として初めてゴルフのメジャータイトルを勝ち取った選手になる歴史を作っただけではなく、東京五輪の組織委員会の人たちにも素晴らしいニュースをもたらした。この数日前には、競泳の池江璃花子が、白血病から復帰してから8カ月経たずして、100メートルバタフライなどで優勝し、400mリレー、400mメドレーリレー代表として2020年大会の出場を決めた」と、大会100日前のタイミングで日本のスポーツ界に明るい快挙が続いたことを紹介。 「彼らの偉業は、多くの人々が五輪とパラリンピックを困難を乗り越えるため選手ひとりひとりが懸命に努力をすることの象徴として見ていることを思い起こさせた。世界的な(新型コロナウイルスの)パンデミックに直面する中で、東京五輪組織員会とIOCが“大会を開催する”あるいは”開催すべき”と主張し続ける理由を説明する助けになっている」と、開催に向けた気運を高めることに役立っていることを伝えた。 だが、一方で、「大阪の公園で見られた(聖火リレーの)光景は、開会までわずか100日となった大会の道筋に横たわる障害があることを厳しく思い起こさせた」と、大阪が公道での聖火リレーを中止し万博記念公園内を走る無観客方式に切り替えたことを取り上げた。 記事は「大人数のメディア、スポンサー、審判、通訳、他の五輪に関係するスタッフが日本に到着するにあたり、大会側がどのように対応するかの詳細はほとんど伝えられていない。訪れるアスリートたちは、母国で7月の終わりまでにワクチンを接種すると考えられている一方で、主催国(日本)の大部分の人口は(ワクチンで)守られていないままだろう」と、日本で新型コロナウイルスのワクチン接種が思うように進んでいない状況を問題視した。 そして「松山と池江(の偉業)がウイルスと1年以上生活した後に五輪開催への歓迎の転機になるのかと言えば、この2つの出来事でさえ(五輪)賛同への動きにつながっていない」と、世論調査で依然として五輪開催に否定的な見方が多いことも記した。