「生まれながらに光るものを持っていて、それを輝かせることが出来た」ヤマハ先輩ライダー・難波恭司さん
印象に残るのは1996年の日本GP勝利
彼のレースで一番印象に残っているのは1996年の日本GPです。GP500の開発に関わったばかりで、自分は試行錯誤していた時期でした。ノリックの予選は11番手と決して良いグリッドではなかったのに、スタートは完全にジャンプスタートじゃないの?と思うくらいの絶妙さで飛び出した。予選タイムを上回って、ファーステストラップを更新しながらトップに出て勝ってしまった。「勝っちゃったぁ~」とこれは一大事だぁ~と衝撃でした。この優勝はものすごいインパクトがありました。 今、見返しても、彼の魅力やセンスが1番表に出たレースだったと思います。スイッチがカチッとはまると予想出来ない走りをしてしまう。何をしでかすのかわからない。ノリックそのもののレースだったと思います。 一緒に過ごすことが多くなると気にかかる存在になり、放っておけなくなってしまう奴でした。生まれながらに何か光るものを持っていて、それが見る側からすればとても魅力的に映り、世界中の多くのファンを魅了したのだと思います。
佐藤洋美