「あなたの演技、みんなにバレてます」東洋哲学のプロに人間関係の悩みを相談したら“本当の自然体”にたどりついた
「自分」を探し続けた東大卒ニート、しんめいPに聞いてみました
森久保: 僕は人と喋るとき、元気スイッチを入れてテンションを上げて話すんですけど、「無理してそう」「嘘っぽい」と言われることがあって… 実際無理してるから疲れるし、自然体でいたいけど、どうしたら自然体でいられるのかが、もはやわかんなくなっちゃってて… しんめいP: そう言ってる顔が、すでにちょっと怖いですもんね。 森久保: しんめいPさんの書籍では、東洋哲学では自分が空っぽでいいんだ、みたいな話が印象的で、今日は、僕が自然体でいられる方法やそのアプローチをお聞きできればいいなと思ってます。 しんめいP: 僕、森久保さんが新卒時に出ていた動画をみたんですが、当時からウソっぽかったと思います(笑)。 森久保: お見通しなんですね… しんめいP: お見通しというか、たぶんみんなにバレてるんじゃないですか? そのうえでみんな付き合ってくれてる。 実は僕も会社員時代にスイッチを入れていたタイプです。 でも年齢を重ねると、自然に「そんな無理せんでええか」と思えるようになったので、その悩みは時間とともになくなりますよ。 森久保: そうなのかな… しんめいP: 森久保さんにとってはすごく切実な問題かもしれないけど、今は新卒時より自然体な印象ですから。この3、4年だけでも変化しているはずです。 森久保: 僕は、これまで人と接するなかで、相手に嫌な思いをさせてしまうことがあるのを自覚していて。 その防衛本能で、とにかく明るく振る舞うクセがついてしまっているという経緯があるので、「時間とともに悩みがなくなる」というイメージが持てないです。 しんめいP: 森久保さんのお話を聞いていて、僕も思い出したことがあります。 自分の過去の話、してもいいですか?
「協調性がない」からわかったこと
しんめいP: 自然体でいると絶対やらかすから、スイッチをONにした自分で振る舞う、といった感覚は僕にもあって。 実際、僕は会社員時代、チームプレイがすごく苦手でした。 人とうまくやっていけない自分に鬱々とする毎日。だけど、バレたらヤバいと思って、スイッチを自分で入れて… 森久保: そうなんですか? しんめいP: そうそう。でもときを経て、そもそも子供の頃から協調性がなかったことに気づいたんですよね。 本にも書いたんだけど、僕は一人っ子で、親も忙しかったので、ずっと一人で遊んでて。 すると親が「こいつ陰キャすぎてヤバい」と思ったらしく、小学生のときにミニバスケに連れて行かれて… そこで僕は、初日の紅白戦で敵にパスし続けたんですよ。 ルールはわかってたんだけど、敵がボールを欲しそうな顔をしているのを見て、「じゃあやるよ」みたいな感じで。 今思えば、当時いろいろな感情があったんだと思います。やりたくもないのに連れて行かれて、ムカつくからぶっ壊してやろうと思っていたのかもしれないし… 森久保: だいぶ協調性が… しんめいP: ないですよね(笑) 監督にブチ切れられて「もう二度と来るな」と言われて、それ以降ミニバスはもちろん、部活もやらずに生きてきました。 ただ、その“協調性がない”というレッテルを剥がしてみると、今自分の身の回りにいる人って、自分のヤバさも含めて付き合ってくれてるんだなという気づきもあって。 森久保: なるほど。 しんめいP: 森久保さんも、自分で思っている以上に本当の姿もバレていて、バレたうえでみんな接してくれているんだから、それでいいんじゃない? という。 森久保: 急に恥ずかしくなってきました。 ヤバい自分を出してしまうと、相手に失礼だと思ってしまうんですが、それでもフルオープンにして大丈夫なんですかね? しんめいP: これは僕の主観でしかないけど、どっちでもいいと思うんですよ。 だって、周囲の人は森久保さんがフルオープンにしようがしまいが関係なく、すでに付き合ってくれているんだから。 逆にフルオープンにしようと意識すると、今度はフルオープンスイッチをオンするだけになっちゃうんじゃないですか? 森久保 それはそれで、自然体じゃないウソの姿になりますもんね… しんめいP: そうなんです。 そもそも、スイッチを入れないで生きるなんて無理だと思っていい。僕だって今スイッチを入れて話しているわけだし。