大久保嘉人「少年時代は怒られてやる気をなくしていた」子どもの才能を伸ばすために一番大切なこと
今日から第101回全国高校サッカー選手権大会が始まった。第79回大会(2000年度)に、長崎県の名門・国見高校サッカー部で全国優勝を果たし、プロサッカー選手となった大久保嘉人さん。2021年に現役引退後は、タレント活動やスポーツコメンテーターとして活躍している。私生活では4児の父であり、子どもたちも大久保さんの現役時代のプレーを見てサッカーを始めたという。「サッカーに関しては何も言わずに見守るようにしている」という大久保さんが、自身の経験をふまえてどのようにお子さんとコミュニケーションを取っているのか、また時代の流れとともに変化してきたスポーツの指導方法について思うことを聞いた。(聞き手:荻上チキ/TBSラジオ/Yahoo!ニュース Voice)
子どものサッカーには口出ししない。聞かれた時に自分の経験を伝えたい
――大久保さんの4人のお子さんはサッカーをやっているそうですね。 大久保嘉人: そうですね。でも、僕から子どもたちにサッカーを勧めたことはなくて、「やりたいことをやっていいからね」と言っていたんです。僕の試合を見に来る中で自然と興味を持つようになったのか、4人ともサッカーをやりたいと言い出しました。 中でも、三男は僕のプレースタイルにそっくりですね。子どもがガンガン攻めていくのを見ていると、「危ないから行くな!」って思ってしまいます。僕は現役時代にイエローカードやレッドカードをもらった時、両親からよく電話がきて「危ないからやめろ!」と怒られていたんですよ。自分が親になってみて、その気持ちがよくわかりました(笑)。 ――普段、サッカーについてお子さんとどんなコミュニケーションをされるんですか? 大久保嘉人: 僕はサッカーについては、ああしろこうしろ、とはあまり言わないんです。いろいろ言うと子どももやる気をなくしてしまうので、何も言わずに見守るようにして、何か聞かれた時には自分の経験を伝えたいと思っています。 次男と三男はまだないんですけど、長男が高校生になった時に、アドバイスを求められました。「サイドでボールを持った時にどうやって中に切り込んだらいい?」とか、「どの辺まで行ってシュートを打つのがいいのか」とか。息子にサッカーのことを聞かれるのは、やっぱり嬉しいですよね。「やっと聞いてきたな!」って感慨深くなりました。