「3カ月生理が来なかったら受診を」15年無月経だった千葉真子が、反面教師として伝えたいこと―産婦人科医が解説 #性のギモン
12月30日に大学女子駅伝の日本一が決まる「2022全日本大学女子選抜駅伝競走」が開催される。彼女たちの活躍とともに注目したいのが、激しいトレーニングを続ける女性アスリートの健康問題だ。かつてマラソンランナーとして活躍した千葉真子さんも、「現役時代に15年にわたって無月経だった」と自身のブログで告白した。「競技に支障がでることが不安で産婦人科に行けなかった」「私の失敗を反面教師にしてほしい」と語る千葉さんが、母となったいま子どもたちに伝えたいこととは何か。また、千葉さんの経験をふまえて、無月経になる原因や治療法について産婦人科医の重見大介さんにも話を聞いた。(聞き手:荻上チキ/TBSラジオ/Yahoo!ニュース Voice)
千葉真子さん「約15年間無月経だった」
――千葉さんは長期間「無月経」だったそうですが、不安を感じることはなかったのでしょうか。 千葉真子: 私は本格的に陸上を始めた高校時代から現役を引退する30歳までの約15年間、生理が一度も来ない「無月経」でした。 当時は「何が何でも駅伝のレギュラーになりたい」と成績を出すことに夢中になるあまり、生理の存在をすっかり忘れてしまっていて、しばらくは無月経を強く意識することもありませんでした。体について深く考える時間が、アスリートとしての目標の陰に隠れてしまったように思います。 ――無月経を自覚し始めたのはいつ頃からでしたか。 千葉真子: 20代半ばになって、生理がない年数をよくよく数えてみたら「こんなに長い期間、生理がなかったんだ」っていうことに気づいたんです。そのとき初めて「私は将来子どもを産めるのだろうか」という不安な気持ちになったんですよね。 それでも、病院に行くという一歩を踏み出すことはなかなかできませんでした。「治療すると太る」という噂を聞いていたこともあって、競技が今までと同じように続けられないんじゃないかという不安が大きな壁になっていたんです。また、指導者が男性であることが多く、身近に相談できる人がいなかったこと。妊娠もしていない私が産婦人科に行くことに大きなハードルを感じていたこともあり、病院に足を運べませんでした。 ――現役を引退する30歳まで無月経だったとのことですが、引退後は体調に変化があったのでしょうか。 千葉真子: 引退後に無月経の治療に行こうと思った矢先、15年ぶりに生理が来まして。そこからは定期的に生理がきちんと来るようになり、以降は無月経になることはありませんでした。産婦人科の先生からは「運が良かった」と言われます。妊娠出産が難しい状況に陥っていてもおかしくなかったと思います。