ノーベル賞授賞式から帰国、大隅栄誉教授が会見(全文2完)研究は右肩上がり
お酒はゆっくり味わえたのか?
司会:ほかに。はい。 朝日新聞:すいません、朝日新聞のコマエと申します。向こうで酵母への感謝ということを、大変印象深く聞いていたんですけども、お酒はゆっくり味わえましたでしょうか。 【中継録画】ノーベル賞授賞式から帰国、大隅栄誉教授が16時50分から会見 大隅良典:いろんなレセプションとかなんとかの前に、必ず、後と前でシャンパンに始まって、いろんな酒をいただきましたけど、やっぱりどっかで緊張していて、お酒がおいしいなと思ったことはあんまりというか、ありませんでした。それはしょうがなくて、たぶん胃袋のほうが、あまり受け付けなかったんだろうなって思いました。きのうの夜、仲間内でちっちゃいところで飲んだら、ようやくお酒がおいしいなと。 司会:ほかに、ご質問の方、おいでになりますか。
今後これだけはやりたいという研究は?
時事通信:時事通信のナカヤマと申します。先生、先ほどこれまでの歴史に(※判別できず)感慨深いとおっしゃっていたのですが、先生、まだまだ現役で研究を続けていくわけでは。 大隅良典:はい。 時事通信:今日は、ここ2週間、大変お疲れですけども、これから先、まだやりたいと、研究をですね、思うことがたぶんあったんじゃないかと思いますがぜひ、これだけはやりたいというのは、どんなことをやりたいでしょうか。 大隅良典:はい。私の研究分野であるオートファジーという領域は、もちろん今、ものすごい勢いでまだ右肩上がりでいっている分野で、これが本当に病気の克服につながるということがはっきりしているということはありません。ただ、非常に大事なことなの、細胞が持ってる大事な機能なので、必ずやいろんなところでいろんなことに絡んでくるっていうことは、私は確信していますが、どの病気のどれにどう直せるかというようなことに関しては、まだほとんど手が付いていない領域です。 日本ではそういうことはありませんけど、ノーベル賞をもらったらその領域からは若者が逃げ出していくっていう国もあるんですが、オートファジーに限っては、これからもっともっといろんな人が参入してきてくれて、もっとたくさんのことが分かってほしいと思ってます。 私自身も、これもいろんなところで言っていて、今、私たちの達成度は30%ぐらいだろうと言っていますので、私は歴史的にもROB細胞、とっても皆さん関心が高いんですけど、基本問題を酵母でもう少し頑張って解いて、酵母でしかできなかったという意味で、そういうのがROB細胞のオートファジーの研究にインパクトが与えられるようなことにしたいと思って、あと4年間、時間が与えられていると思っているので、そういう努力をしてみたいというふうに思っています。 司会:ほかにご質問の方。