ノーベル賞授賞式から帰国、大隅栄誉教授が会見(全文2完)研究は右肩上がり
基礎研究の重要性などについて
TBS:すいません、TBSです。大隅さんは記念講演でも基礎研究の重要性であったり、あと科学を文化の中核として育む社会になってほしいというメッセージを世界でも発信されましたけれども、あらためてやはりそのことを強調された思いのところを教えていただけますか。 大隅良典:私やっぱり日本で、もちろん日本人なので日本の状況というのは必ずしも若者にとっても今、一生懸命研究している大学生にとってもそんなに住みやすくないということで危機感を持っています。で、私、思ったのは受賞者も含めて、海外の人が、もちろん皆さんの報道のおかげというようなこともあるかもしれませんし、スウェーデンテレビの1時間番組を、ものすごくたくさんのスウェーデン人の方が見てらして、それはちょっと日本と違うのかなという思いがあります。 で、もちろんノーベル賞というのは、スウェーデンの国家事業ではないんですけれども、あれだけ王族も出られるような行事になっていて、寒い、暗いスウェーデン、ストックホルムで毎年やられる一大イベントで、たくさんの人が本当にサイエンスに、もちろん式典で今年は王女様がどういう服装だったとかいうのも語られる一面もあるんですけど、非常に真面目にサイエンスの紹介があったりするということも含めて、そういうことが日本の科学の賞にも、だんだん定着してってくれるといいなという思いがしています。 なので、例えば物理学の神髄をみんなが理解するのって大変難しいことなのですけど、こういうことで素晴らしいことがあったんだということが、共有できるようなことになってくれるといいなと思います。スウェーデンに行って、本当にノーベル賞がスウェーデン国家挙げての行事なんだということを、あらためて思いました。 司会:ほかにご質問のある方、おいでなりますか。
購入したノーベルコインの配布先について
記者2:すいません、ノーベルコインを1500枚、ご購入されたと聞いているのですけれども、どういった方にお配りになられました? 大隅良典:数えてみたらそうなったからというほど、厳密なあれじゃないんですけど、もう、私の研究仲間、それから私の住んでいる、妻の交友関係、私の交友関係とかいうようなことでたくさんのお祝いをもらったので、その1つのお返しとして配る。なので、ていったら150ぐらいになる。息子どもにも分けたので、われわれのところで1500枚配るよ、ということがどうなるのか分かりませんけど、足りないよりはあったほうがいいやっていうので雑な議論ですけど、それぐらいを購入したという次第です。 記者2:ありがとうございました。 司会:それでは最後のご質問にいかせていただきたいと思いますので、どなたかございましたら、よろしいでしょうか。なければフォトセッションに移りたいと思いますので、先生、メダルのほう。 大隅良典:向こうに1人。