ノーベル賞授賞式から帰国、大隅栄誉教授が会見(全文2完)研究は右肩上がり
ノーベルの墓参りをしての感想は?
東京新聞:東京新聞のミワと申します。最終日に、ノーベルのお墓に行かれたということなんですけど、自由時間が少ない中で、なぜそこを選ばれたかっていうのと、あと、行って、どういうご感想というか、お気持ちになられたかっていうことを。 大隅良典:もちろん、ストックホルムってきれいな街で、たくさん観光するところあったと思うんですけど、ノーベル賞の原点というか、ノーベルという1人の科学者、実業家っていうことに思いをはせて、ぜひ、時間があったら行ってみたいという思いでした。 で、私、すごい寒いストックホルムを予想していたんですけど、最初の3日か4日は比較的暖かくて、ああ、こんなもんかと思ったんですけど、最後の2日間ぐらいに雪景色のストックホルムを見れて、ノーベルの墓も雪をかぶっているという静かな墓地で、大変、なんか感慨深いものがありました。 司会:はい、それではほかに。
地元の同級生など、今後の交流について
西日本新聞:西日本新聞社の(※判別できず)と申しますけど、ちょっと地元のことで恐縮なんですけど、授賞式のときに合わせて、科学部の同級生たちが祝賀会を福岡でやられたんですけど、なかなかお忙しくて帰る時間がないでしょうけど、いずれ帰って会いたいというような気持ちはありますでしょうかという質問なんですけど。 大隅良典:はい。この間も、もちろん日本の中も含めて、毎日のようにいろんな依頼が参って、どれもこれも、ある意味ではむげにすることができないものが多くて、それは大変、行く前からそういう状況で、全世界の学会から、いろんな国から講演の依頼が来ていまして、私、この間、忙しかったので、仲間たちと飲んだりする機会もあんまり取れなくて、いろんなお祝いの言葉とか、いろんなこと言ってくれたたくさんの仲間がいるんですけど、そういう人たちと1つ1つ丁寧に付き合いたいなと思うんですけど、どれぐらいの時間がそういうことが許されるかということが、まだ見えません。 いろんな過去の受賞者の方から聞いても、これからも大変なんだっていうことを聞かされているので、どうしたら本当の日常の研究室に入れるというような、生活に戻れるのかなというのは、20年も30年もあればいいんですけど、私、先ほども言ったようにそれほど長く残されていないもので、静かにそういうことを、自分の希望が入れられて、いろんなことが行動できたら、これほどうれしいことはないなと思っています。 司会:一番後ろの方。