子どもの腹痛 どんな病気? 医師に伝えたいポイント…ストレスが原因となることも
教えて!ヨミドック
病気や健康の疑問に、読売新聞の医療サイトのキャラクター、ヨミドックが答えます。今回のテーマは、「子どもの腹痛」です。 【図表】子どもが腹痛を訴えた時の主な要因
Q 子どもがよくおなかが痛くなるけど、いつも原因がわからなくて不安なんだ。 ヨミドック 子どもは痛みをうまく説明できないので、本人も親も戸惑いますよね。 腹痛を起こす病気はたくさんあります。診断には、痛みの強さや持続時間などの情報に加えて、ほかにどんな症状があるかも重要なので、受診時に医師に伝えましょう。
Q 例えば? ヨ ウイルス性胃腸炎は、嘔吐(おうと)や下痢の症状も出ます。学校や幼稚園で感染症の流行はあるか、同じ症状の家族はいるかという情報も判断材料になります。 うんちがちゃんと出ているかも大事なポイントです。実は子どもが腹痛を訴える時、便秘が原因だったということはよくあります。排便が週2回以下で、おなかが張っていたり、排便に痛みが伴ったりする場合は一度小児科に相談するといいでしょう。 Q 緊急性が高い病気のこともある? ヨ 腸の一部が周辺の腸管に潜り込む「腸重積」は、乳児に起きやすく、激しく泣いては落ち着く状態を繰り返します。イチゴジャムのようなねっとりした血便も特徴です。 また、激しい腹痛が持続する場合、学童期の子に頻度が高いのは急性虫垂炎です。痛む部位が、みぞおちから右下腹部へ徐々に移動し、嘔吐や発熱もみられます。 いずれも手術が必要な場合があるので、夜間でも医療機関の受診を勧めます。
Q 進級の時期にも、おなかが痛いってよく言ってた。 ヨ クラス替えや転校など環境の変化は子どもにとって大きなストレスになり、腹痛につながることがあります。 Q 受診したほうがいい? ヨ まずかかりつけの小児科で、体に原因はないかを調べ、必要に応じて子どもの心を診られる小児科医、精神科医のいる医療機関に行くといいでしょう。 Q 家族の接し方は? ヨ 大事なのは、痛みを否定しないことです。本人にとって痛みは確かに存在しています。周りが軽んじると、痛みが大きくなることがあります。「痛みがあるのはつらいね」と共感しつつ、片付けや朝起きられたことなどについて「でもここはできているよ」と伝えると、安心につながります。(安藤奈々/取材協力=吉沢穣治・昭和大江東豊洲病院小児外科教授、田中恭子・国立成育医療研究センターこころの診療科診療部長)