長友“魂の奮起”で森保Jの「左サイド論争」に終止符?それとも…森保監督が初めて起用法に言及
難敵サウジアラビア代表とのカタールワールドカップ・アジア最終予選の“天王山”を制し、7大会連続7度目の本大会出場へ王手をかけた日本代表の森保一監督が快勝から一夜明けた2日、オンラインによるメディアの囲み取材に応じた。 約1時間半におよんだ質疑応答で、今シリーズを通じて論争の的になった左サイドバックの人選に初めて具体的に言及。後半途中からの出場が続く中山雄太(24・ズヴォレ)を「先発で出てもおかしくない」と評価した上で、ベテランの長友佑都(35・FC東京)を先発させる起用法を「いまはチームのためになっている」と強調した。 残り2試合となったアジア最終予選で、グループBの日本は首位サウジアラビアを勝ち点1ポイント差で追い、3位のオーストラリア代表には同3ポイント差をつける2位をキープ。敵地シドニーで3月24日に行われるオーストラリアとの次節の第9戦で勝利すれば、カタール大会出場権を自動的に手にできる2位以内が確定する。
メンバー固定のメリットとデメリット
ともに前後半に1ゴールずつを奪い、守っては危なげなく零封する展開で中国およびサウジアラビア両代表を撃破。連勝を「5」に、勝ち点を「18」にそれぞれ伸ばしたホーム2連戦で、森保監督はまったく同じ11人を先発に指名した。 今シリーズだけではない。連勝がスタートしたオーストラリアとの第4節を皮切りに、4-2-3-1に代わる新システムの4-3-3を継続。負傷離脱者や出場停止者を除いて、先発する選手も固定させてきた采配には明確な狙いが込められていた。 「勝利という結果だけでなく、所属チームでも代表活動の間に結果を出していることも踏まえて、実際に集まったときにコンディションを確認した上で決めている」 快勝とともにカタール大会出場へ王手をかけたサウジアラビア戦から、一夜明けて実施されたオンラインによるメディアの囲み取材。勝っているチームはいじらない、なるサッカー界の格言がベースにあると示唆した森保監督はさらにこう続けた。 「メンバーを変えないメリットがある一方で、デメリットの方が大きくならないように気をつけなければいけない」 同じメンバーのもとで、真剣勝負を通じて選手間の連動や連携を深めていけるのがメリットとなる。対照的にデメリットはチーム内に巣食うマンネリ感であり、先発奪取に意欲を見せるリザーブ組のモチベーションを萎えさせる状態を指す。 今回の活動で、特にデメリットが指摘されたのが左サイドバックとなる。