なぜ森保Jは豹変したのか…サウジに2-0快勝でW杯出場王手…長友佑都「僕の魂の叫び。聞こえましたか?」
カタールワールドカップ・アジア最終予選の第8節6試合が1日に行われ、グループBの日本代表は埼玉スタジアムで首位・サウジアラビア代表に2-0で快勝。5連勝で勝ち点を18に伸ばし、7大会連続7度目の本大会出場へ王手をかけた。 中国代表との第7節とまったく同じ先発メンバーで臨んだ日本は、前半32分にカウンターからMF南野拓実(27・リバプール)が最終予選初ゴールを決めて先制。後半5分にはMF伊東純也(28・ヘンク)が4試合連続ゴールを豪快に叩き込み、敵地での第3節で敗れているサウジアラビアに初黒星をつけてリベンジを果たした。 同日、3位のオーストラリア代表がオマーン代表に2-2で引き分けたことで勝ち点差が「3」に開いた。敵地で3月24日に行われるオーストラリア代表戦に勝てば出場権を自動的に得られる2位以内が確定する。
「生きるか死ぬかだと思っていた」
人懐こい笑顔を浮かべながら、DF長友佑都(35・FC東京)が逆に問いかけてきた。 「僕の魂の叫び、聞こえましたか?」 オンラインで行われた試合後の囲み取材で、前半13分の場面を問われた直後だった。自らのパスカットで生まれたチャンス。そのまま敵陣深くにまで侵入した長友はDFアルガンナム、さらにFWアルムワラドと壮絶な肉弾戦を繰り広げた。 最終的に日本のスローインにした一連のプレーは、全身から真っ赤な炎を放ちながら、タイマン勝負なら誰にも負けないと1対1を挑み続けた、ほぼ無名の存在から日本代表へ大抜擢された2008年当時をほうふつとさせるものだった。 我が意を得たり、とばかりに長友がさらに声を弾ませた。 「今日は生きるか死ぬかだと思っていたというか、久しぶりにいい意味でのプレッシャーを感じていました。今日できなければ自分は代表にいる意味がない、と。自分でもびっくりするぐらいに魂の叫びが聞こえていました」 もっとも、囲み取材の冒頭で長友は対照的な言葉も残している。 「ブーイングされるかな、と思っていました」 年をまたいでアジア最終予選で4連勝をマーク。一時は4位に沈んだグループBの順位を2位に浮上させた日本は、特異な状況でサウジアラビア戦を迎えた。 フィールドプレーヤーで最年長の長友には、低調に映るパフォーマンスに対して厳しい批判が浴びせられていた。5日前の中国戦で鮮やかなクロスから伊東のゴールをアシストした、中山雄太(24・ズヴォレ)との世代交代も指摘されるなど、自身を取り巻く状況を理解していたからこそ入場時にはブーイングを覚悟していた。