「極楽とんぼはどこかで終わると思ってる」ーー加藤浩次の意地、山本圭壱の覚悟
山本:あれだけ俺を戻すために尽力して……周りの先輩から、会社の上層部から、いろいろな方に頭を下げてくれて。そのあと、闇営業問題であなたが一石を投じる発言をした。それで吉本とはエージェント契約を結ぶようになって。 加藤:山本がいなかった時期があるから、極楽とんぼが2人そろって吉本にいることって実はちょっとしかないんだよな(笑)。落ち着けないもんかな、とも思うんだけど。 山本:落ち着かないもんですって。そもそも、落ち着く職業をはじめたわけじゃないですから。死ぬ寸前までいろいろ考えてますって。レギュラー番組たくさんやってるけど、それぞれどういう気持ちでやってるの? ぜんぶ楽しいの? 加藤:そりゃあ、楽しくないこともあるよ(笑)。楽しいっていうか、俺のテンションがあがるのはなにか違うことが起きたときだから。予定調和じゃない状態が一番ワクワクする。それを求めてやっているみたいな感じ。
山本:それで、「10年後、どうしてますか?」だって。 加藤:(10年後は)俺、62歳。 山本:そりゃあ、バリバリやってるでしょ。 加藤:やってるかなあ? 山本:やってるって。病気しない限りね。 加藤:仮に、「俺、辞める」って言ったらどうする? 山本:「まあ待てよ」って言うよ。「まあまあまあ」って。 加藤:でも、どちらかが辞めるって言ったら終わりじゃん? 2人で極楽とんぼでしょ。例えば極楽とんぼが終わるとする。そうなったら……たぶん俺、山本さんと仲良くなると思うんだよね。 山本:いち人間として? 加藤:そう。極楽とんぼが続いているうちは、お互いの利害にも関係してくるし、ずーっと微妙な関係だと思う。極楽とんぼがなかったら、「おい、お前、今日何やってんだ」「飯行く?」っていう関係になるような気がすんだよ。 山本:それはわかる。そう言われたら、わかる。
加藤:第一印象はすげえ悪かったけど、なんか知らないけど、気は合う2人だったわけじゃん。それに「極楽とんぼ」という名前をつけた結果、どんどんコンビになっていった。普通に気の合う2人なのに、仲間じゃなくて、コンビでいなきゃいけなくなった。コンビになっちゃうと、絶対に2人で飯に行くこともないし。 山本:仮に解散したら、コンビ結成した平成元年に戻るっていうことだね。学大あたりで、カラオケ行ったりしてた時期に。 加藤:でも、あの時が一番楽しかったって思いはどこかにあるのよ。金もなかったし、なにもない時期だったけど、解散したらその時の関係に戻るんだろうなって。極楽とんぼはどこかで終わるんだろうなと思ってるんだけど……それが10年後かと言われると、ちょっとわからないね。 山本:でも、10年ってそんなに長くないぜ? テレビに出れなかった10年はあっという間だったし。20年後はさすがに……70歳になっちゃうから。