「極楽とんぼはどこかで終わると思ってる」ーー加藤浩次の意地、山本圭壱の覚悟
加藤:まだいろいろ言いたい部分もあるけど……表に出られなかった10年間を振り返って、どう思ってる? 山本:思い返していろいろなことがあったなと思うけど、今ここにいる……。「反省していた10年間について」ってよく聞かれるけど、私にとっては10年どころじゃないんですよ。明日もあるし、明後日もあるし、1年先もあるし、10年先もある。 加藤:うん、うん。 山本:そう考えたら、「今までの10年どうだったか」っていう質問の答えは、まだ先にならないと出ないと思っている。死ぬ寸前にならないと答え合わせはできないけど……今あなたと向かい合って話ができているこの状況こそが、自分の人生の中でベストな状態なんだと思いたい。今だからこそ、ここからまた頑張ろう、という気持ち。 加藤:その10年間で、「看板をおろそうと思わなかったんですか」と聞かれることもあるんだけど、そうしようと思ったことは一度も無いんだよ。
山本:俺も、テレビ出てない時もサインお願いされたら極楽とんぼってつけてた。「素人だけどいいですか?」って聞いて。 加藤:「コンビの名前を守っていた」とかたまに美談にされるときがあるんだけどさ。あなた俺のサイン知ってるでしょ?「極楽とんぼ」がないと、カタカナで「カトー」って書いているだけなの。 山本:ひどいですよ。(笑) 加藤:カタカナでカトーって書くだけだから、もらった人は嬉しくないだろうなって。だから、「極楽とんぼ」ってつけてるだけなの。美談ではないんだよ。(笑)
極楽とんぼじゃなくなったら、仲良くなれるのに
2021年、加藤はおよそ30年間にわたり所属していた吉本興業から独立、個人事務所である「82style」を立ち上げた。今は新会社の社長として、大きな組織にいた時は全くわからなかったことをいちから丁寧に築き上げる日々だという。 一方の山本は吉本興業に籍をおいたままYouTubeに活動の場を広げ、自身による「極楽とんぼ山本圭壱 けいちょんチャンネル」を登録者37万人を超える人気チャンネルに育て上げた。それぞれが活躍の場を広げているなかで、「10年後の極楽とんぼ」はどんな空を飛んでいるのだろうか。 加藤:『めちゃイケ』での再会があって、山本が吉本に戻ってくるじゃん。でも5年もしないうちに俺が吉本から出ていくじゃん。……どう思った? 山本:わけわかんなかった。嘘だろ、って。 加藤:(笑)