寄り添えるか、優しくできるか――綾野剛と常田大希が語るクリエイティブの「原点」
俳優の綾野剛(39)と、King Gnuやmillennium paradeで活動するミュージシャンの常田大希(28)は、コロナ禍でも常にお互いの活動を見守ってきた。2019年に出会ってから、週に何度も会うほど親密になったふたりの間で共鳴している、クリエイティブの「原点」を探った。(取材・文:宗像明将/撮影:殿村誠士/Yahoo!ニュース オリジナル RED Chair編集部) (※2021年1月の再配信です)
初対面は「お疲れっす」とハグ
2019年には「NHK紅白歌合戦」に出演し、2020年にはコロナ禍でも日本武道館2DAYSや幕張メッセ国際展示場でのライブを成功させたKing Gnu。「紅白」で披露された「白日」のMVのYouTubeでの再生回数は、実に3億回を超えている。 そのKing Gnuの中心人物である常田大希への深い親愛とリスペクトを隠さないのは、2012年にNHKのドラマ『カーネーション』への出演で頭角を現し、2014年の主演映画『そこのみにて光輝く』や2016年の映画『怒り』などで数々の賞を受けた俳優の綾野剛だ。 この日の対談は、常田が主宰する音楽ユニット・millennium paradeの制作作業が大詰めのなかで行われた。常田が「今日、ミックス」と言えば、綾野は「差し入れ持ってくわ、じゃあ」と返す。そして、綾野が「なに緊張してんだよ」とちゃかすと、常田が「いやいやいや、緊張するよ、こんなカメラの前で」と笑う。2019年に出会ってから、週に何度も会うこともあるというふたりの親密さが伝わってくる。 綾野「僕が中国で撮影してるときに、King Gnuのセカンドアルバムが発売されると聞いて、微博(ウェイボー)でアップしたんです。それを大希たちが知ってくれて出会って」 常田「うちのスタッフが『綾野剛が書いてくれてたぜ!』みたいな。その頃は今ほどグツグツ来てないときだから珍しくて、ちょっとざわついてたのをすごい覚えてる」 その後、ふたりはすしを食べに行くことになるが、第一印象は「初めて会った感じじゃなかった」と常田が振り返る。 綾野「すし屋の前で待ってたら、大希が向こうからニコニコしながら小走りで来て、『お疲れっす』って言っていきなりハグして。その時点で、なんかもう昔から知ってるかのような関係だった」