なぜ女子ゴルフ”ミレニアム世代”のルーキー古江彩佳は鮮烈プロ初Vを果たせたのか…ショット精度と浜崎あゆみ効果
今季6試合の終了時点でパーセーブ率は92・6901、リカバリー率は77・1739でともにトップ。6試合19ラウンドでボギーの総数は24個、ダブルボギーは1個で計25個。1ラウンドの平均ボギー以上はわずか1・3157という驚異の数字が、ボギーを打たない古江のプレースタイルを明確に証明している。 兵庫・滝川二高時代は同級生の安田祐香の影に隠れ、ナショナルチームでも2番手的な存在だったが、前出の「富士通レディース」で優勝を果たして存在感を示した。その優勝の原動力となったのもショットの正確さ。グリーン周りの小技も多彩で、プレーオフで敗れた東も、「すべてそろった素晴らしい選手」と、後輩プロに脱帽するしかなかった。 コースを離れると、今時の20歳である。 浜崎あゆみをこよなく愛し、振り付けなども完コピしている。コースに向かう車の中では、AYUの曲や映像を流して、気持ちを高める。 「今日も車の中で2014か2015年のツアーの映像を見てきました。気持ちを落ち着けて試合に臨むのではなく、私はアゲて挑みたい。一緒に歌っています」 あゆファンの20歳はゲン担ぎもする。 大会中の食事には「勝負に勝つ」に重ねて「トンカツ」が定番メニュー。 「今週も初日前夜と昨日の第2ラウンド後にもトンカツを食べました」と笑った。 一方、「トーナメント期間中に鶏肉は絶対に食べない。手が出なくなるから」と真顔で話す。ゴルフ用語のバーディー、イーグル、アルバトロスは、すべて鳥由来の用語だが、その話をふると、「じゃあ一度挑戦しようかな。でも、それで駄目だったら責任を取ってくれますか」と、笑って返すユーモアのセンスも持っていて、メディアの評判もいい。 今週はトーナメントがなく次戦は10月1日開幕の国内メジャー第2戦「日本女子オープン」。初日をボギーなしでスタートすれば連続ボギーなしホールは「82」となり、2015年に申ジエがマークした「81」のJLPGAツアー記録を5年ぶりに更新することになる。
プロ転向から10試合目でプロ初優勝を飾り、「プロになって勝ててよかった。次は大きな試合。楽しみたい」と、うれしそうに話す20歳の未来は前途洋々。古江は、昨季11勝を挙げた渋野らの黄金世代を、1学年下ですでに2勝の笹生優花とともに下から突き上げる一番手の存在となりそうだ。