まさかの空振り失態も…なぜ渋野日向子は連覇を狙った全英女子OPで通算12オーバー105位で予選落ちしたのか?
頭では何をすべきかを理解していた。それでも、いざスイングする刹那に体が反応しない。最後までギャップに苦しめられたまま、渋野日向子(21、サントリー)の連覇への挑戦が道半ばで幕を閉じた。 過去に男子の全英オープンが9度開催された、スコットランドのロイヤルトルーンGC(パー71)を舞台に開催されている女子ゴルフの今シーズンのメジャー初戦、AIG全英女子オープン2日目が現地時間21日に行われ、初日に5オーバーの71位と出遅れたディフェンディングチャンピオンの渋野は、この日、1バーディー、6ボギー、1ダブルボギーの「78」でホールアウト、最後まで立て直せず、通算12オーバーで105位となり予選落ちを喫した。2001年にメジャー昇格して以降の全英女子オープンでの前王者の予選落ちは4年ぶり4人目。 英国メディアも速報でディフェンディングチャンピオンの予選落ちをヘッドラインで伝えた。BBCは、「ディフェンディングチャンピオンの渋野が12オーバーで予選落ち」との見出しを取った記事の中で、「21歳の日本人は、2019年に海外で初めてプレーしたウォーバーン(前大会)で優勝し、ゴルフファンの心をつかんだ。しかし、今大会の彼女は、ロイヤルトルーンの激しい雨や風に苦戦して、第2日目で7オーバーの78となった」と、伝えた。 リンクスコースの雨風の洗礼に自分のゴルフを見失った。 「左から(風が)来ているのがわかっているのに、左へ打ち出せない怖さというか、最後まで振り切れないというか。日本ではなかなか経験できない風のなかで、思い切りも必要だな、というのはすごく感じていたんですけど、なかなか上手く振れないことにここ数ヶ月間悩んでいます」 ホールアウトした渋野が首を傾げ気味に振り返ったのは、左側から強烈な風に吹きつけられた後半のインコースだった。真っすぐに打ち出しては、右方向へと流される。左方向へ打つセオリーを特にアイアンで臨むセカンドショットで実践できないまま、少しでもスコアを縮めなければ決勝ラウンドへの道が閉ざされる状況で、さらに4つのボギーを叩いてしまった。 「ドライバーは頑張っていたんですけど、(その後に)どうしていいのかがわからなさ過ぎて。縦の距離もまったく合わないし、ショットもぶれるなかで経験、経験と言っている場合じゃないというか」 スコットランド西岸のクライド湾に隣接する、リンクス特有の強風だけがアイアンショットを狂わせた理由ではないと渋野は認めざるをえなかった。今シーズンが始まってから常に抱いてきたアイアンショットへの違和感が、”前哨戦”のスコットランド女子オープンに続く、わずか2度目の経験となるリンクスでのプレーで増幅されてしまった。