”シブコ”に何が必要か…渋野日向子が51位タイと崩れた米メジャー挑戦で見せた光と影の正体
渋野日向子(21、サントリー)の米メジャー挑戦の初戦は、結果的には惨敗に終わった。予選ラウンドから決勝までの4日間を今シーズンで初めて、昨シーズンから数えれば約10カ月ぶりに戦い終えた直後に残した言葉が、渋野の現在地を物語っていた。 「前日までの3日間をすべて台無しにするような最終日のハーフでした。本当に情けないゴルフだったし、すべてにおいてどうにもならない状態でした」 米カリフォルニア州ランチョ・ミラージュのミッションヒルズCC(パー72)で、日本時間14日未明に行われたANAインスピレーションの最終日。 渋野は1バーディー、5ボギー、1ダブルボギーの78と大きく崩れ、通算2オーバーの51位タイでLPGAツアーのメジャー第2戦を終えた。15アンダーで並んだプレーオフを制したイ・ミリム(韓国)には、最終的には17打差をつけられた。 連覇を狙った8月のAIG全英女子オープンでは、経験の少ないリンクスコースに苦しみ予選落ちをした。そのショックから立て直して、全米本土で初挑戦するメジャーで、予選通過したことは、渋野の類まれなる対応力とセンスを示している。だが、結果的には完敗である。渋野に見えた光と影の部分を検証してみたい。 今シーズン4戦目で初めて予選を通過した渋野は、3日目に6バーディー、1ボギーの67と会心のゴルフを演じていた。 パッティングで導入したクロスハンドグリップが冴えた。AIG全英女子オープンで予選落ちしたのを機に、練習で試したときに感触のよさを感じていたクロスハンドグリップを、ぶっつけ本番で導入したのだ。 右利きの選手では左手を右手の下で握る形になるクロスハンドグリップは、両肩のラインをスクエアに構えやすくなり、右手の動きも抑えられる点でパットの方向が正確さを増す効果が望める。 ロングパットが面白いように決まった3日目を終えた渋野は、パターでボールをヒットする瞬間に頭が動き、左肩も上がってしまう悪癖がなくなったとクロスハンドグリップを歓迎している。