イーロン・マスクの「息子の名前」もし一発で読めたらスゴイ
さらに、ダンラップは使えると判断した部下に対して、並外れて高額の報酬を提示することもしています。部下たちはそのために、通常はしないような不正に手を染める状況に追い込まれていきます。 幹部の中には、数百万ドル規模の報酬のために、自分自身の良心を裏切る行為を正当化する人もいました。ダンラップは、アメとムチを使い分けて、自分の思い通りに人を使うことを繰り返していたのです。 一方で、先にも述べたように、ダンラップは自分自身では実際に部下をクビにするなど直接的な手を下さず、自分の手を汚そうとはしませんでした。その背景には、「ダンラップほど傷つきやすく、それでいて巨大なエゴをもつ人物は稀だった」という特徴が隠れていたと考えられます。 自分自身が傷つくことは避け、レイオフや工場閉鎖など人から恨まれるようなことはすべて人に任せ、自分の業績を誇張することで賞賛を集めることを目指していたのです。 ダンラップの行動パターンを見ていると、まさにダークなパーソナリティの特徴にぴったりとあてはまってくるのではないでしょうか。
● カリスマ的リーダーは ダークなイメージ フォロワーに心理的な影響を与え、感情を揺さぶり、信念や価値観など内面から影響を与えてフォロワーの自己成長を促すようなリーダーシップのことを「変革型リーダーシップ」と呼ぶことがあります。 それに対して、成功や失敗に対して報酬や罰のフィードバックを与えることで、行動を引き起こそうとするリーダーシップを「交換型リーダーシップ」と呼びます。 またもう1つのリーダーシップのスタイルとして、リーダーがあまり関与せずメンバーの自主性や創造性を促そうと試みる「放任型リーダーシップ」もあります。 リーダーシップには、その他にもさまざまなパターンが考案されており、多くの議論が行われています。 そもそもリーダーシップというのは、特定のグループまたは組織の目標達成に向けて他者に影響をして支援を与え、努力を促し動機づけるなど、他の人々を導くことに関連するプロセス全般を指します。 そしてリーダーシップには、リーダーとフォロワーが相互に影響を与えあう互恵性、リーダーとフォロワーがともに報酬を増やしていくために時間やエネルギーやスキルを交換する交換性、リーダーがフォロワーの感情を揺さぶり価値観に影響を与える変革性、フォロワーが自発的にリーダーの意向を受け入れる協力性など、多くの要素が含まれます。