「脱走に噛みつきも」元Jリーガー・永里源気 重度の知的障がいと自閉スペクトラム症を持つ中学2年の長男との現在
── 食事と排泄についてはいかがですか? 永里さん:小学校1年生のころは手で食べていたんですけど、学校での給食のときにメニューの写真を見せてもらって、欲しい食べ物の写真を指差して、それをスプーンの上に置いてもらうということをしてもらっていたので、高学年のころからは自分で食べるようになりました。家では、プレートにご飯とおかずを全部置いて基本的には食べさせてあげていますが、自分でスプーンを使おうとするようになりました。
排泄は、学校でもタイミングを見てトイレに連れて行ってくれているんですけど、結局トイレではせずにオムツでするので、ちょっと難しいですね。ルーティンの中で、おしっことうんちはオムツでするという認識になっているのかなという気がします。最近は1回の量がすごく多くて、オムツをいくら変えてもキャパオーバーするので、寝るときは夜用の介護パンツを履かせて、登校するときはさらにパットをつけるようにしています。
■「やまちゃんかわいい」3人の姉妹に囲まれて ── 大和さんのお姉さんや2人の妹さんについても聞かせてください。 永里さん:大和に対してネガティブな言動はいっさいなくて、いつも「やまちゃんかわいい」と言っています。今なんておもしろいですよ。みんなが大和を弟みたいに扱うんです(笑)。最近は小学校5年生の次女が「やまちゃん、おいで!髪を乾かしてあげる!」と言ってくれるので、ぼくもつい大和に「ほら、お姉ちゃんがやってくれてるよ~」と話しかけるんです。そしたら、次女が「いやいや妹だから!」と返してきたりして(笑)。大和はぼくのおかずはもちろん全部取るし、他の子たちのも取ったりするんです。嫌な気持ちになっているだろうけど、誰も怒らなくて。ほかにも、大和が何でも口に入れることがブームだった時期は、大事なプリントを口に入れてしまうことがありました。普通に考えると、紙を食べたほうが悪いに決まっているんですけど、「自分のプリントを片づけてなかったのが悪い」「次は大和が手の届かないところにしまおう」と言ってくれました。