なぜ4階級制覇・井岡一翔は3階級制覇・田中恒成との大晦日決戦決定に超過激発言をしたのか?
日本人初の4階級制覇王者でWBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(31、Ambition)が12月31日に東京の大田区総合体育館で、同級1位で前WBO世界フライ級王者の田中恒成(25、畑中)と2度目の防衛戦を行うことが9日、オンライン会見で発表された。田中は、世界最速タイ記録となるプロ12戦目で3階級制覇王者となったが無敗のままタイトルを返上、WBOが井岡の指名挑戦者に指名していた。団体統一戦を狙っていた井岡にとっては、歓迎しない日本人対決となったため、この日のオンライン会見では、「メリットのない試合だが負ける気がしない。レベルと格の違いを見せつける」と上から目線で超過激発言。今日10日には田中の会見が行われる予定で、注目の大晦日の日本人対決は“場外前哨戦”から盛り上がりそうだ。
「(2人目の)4階級制覇は阻止する」
決して挑発ではない。日本ボクシングの歴史に先に名を刻んだプライドだ。 「田中選手? 特に印象はない。実績のある3階級制覇している選手で、今回、相手も4階級制覇がかかっている。日本人初の4階級王者として必ず阻止しなければいけない。格の違い、レベルの違いを見せる。日本人対決は久しぶりだし、国内が盛り上がればいい。今回も内容と結果にこだわっていきたい」 井岡にとって昨年の大晦日以来、ちょうど1年ぶりの2度目の防衛戦の相手が、元ライト級の3団体統一王者、ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)に並ぶ世界最速のプロ12戦目で、3階級王者となった15戦無敗の田中になったが、淡々と、こう言い放った。 田中は、これまでもメディアを通じて井岡戦熱望のメッセージを発信してきた。昨年、日本で開催されたWBO総会では、団体のトップが2人の対戦の実現を口にしたこともある。印象に残らないはずのない名前だが、「前の試合も(僕の)前座だったので少しは見たことがあるが、特別注目していた選手ではなかった。注目はまだしていない」と、あえて視界から外した。 7年前、井岡がすでにWBA世界ライトフライ級王者時代、当時、高校3年の田中とのスパーリング経験があるが、「だいぶ前のことで覚えていない」という。 井岡の目線は、日本人対決ではなく他団体王者との統一戦の実現にあった。特にWBC世界同級王者のファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)との試合を熱望していた。 では、なぜ無視を決め込んでいた田中との試合を受けたのか?