モデルは1型のみ 大手シューズメーカー出身のデザインデュオが手がける街履き専用スニーカー「CLEMENS(クレメンス)」
ただ、ディテールに凝ると、パーツ数が多くなり、生産コストが上がるという問題も生じてくる。 「シューズ生産の現場は人手不足が深刻です。となると、できるだけ縫製の必要がない圧着パーツを多用したスニーカーのほうがコスト面で有利です。現在、そういうスニーカーが主流になりつつありますが、CLEMENSは人の手で縫うという感覚を大切にしたいんです」(物延さん)
「GU_RE01」の履き方には、ブランドが推奨する“お作法”があるという。 「紐をギュウギュウに絞って履いてほしい。たとえば、コンバースの『チャックテイラー』には昔からこうした履き方がありますが、あれと同じ感覚。スニーカーの紐って、色を替えたり、ゆるめて履いたり、人それぞれ自分の好きなカルチャーと結びついたスタイルがあって奥が深い。私も大谷も紐を絞る派です」(物延さん) 「このモデルは一般的なスニーカーよりシューホールの数が多いんですが、それは紐を絞る履き方に合わせたデザインです。紐を絞ると、甲部分のナイロンにもイイ感じのシワが生まれます」(大谷さん)
レディースサイズは完売が続出
唯一無二のデザインを持つ「GU_RE01」は、現代のスニーカーにマンネリを感じていた人々のハートを掴んだ。 「意外なことに、ファッションが好きな女性たちからの人気が高いんです。レディースのスニーカーにはないようなカラーリングやすっきりとしたフォルムを支持していただいているようで、多くの女性スタイリストさんにもご愛用いただいています。現在はレディースサイズの生産が追い付かず、完売している状況です(2024年6月現在)」(大谷さん) 合わせる着こなしを選ばない汎用性の高さも人気の理由だ。デニムスタイルやスポーティカジュアルとの相性の良さはいわずもがな、スラリとしたノーズやフォルムのせいか、セットアップやスラックスにもマッチする。また、スポーツ由来のスニーカーに多く見られる大きなロゴも排除されているため、特定のスタイルに限定されないのだ。