遊びは学び、「プレーパーク」作った学校の大変化 教育目標を具現化!子どもの主体性は育つか
校庭の一角に「プレーパーク」のびのび遊ぶ子どもたち
2023年秋、東京都昭島市立光華小学校の校庭の一角に、プレーパーク(冒険遊び場)がつくられた。教育目標に「まず、やってみよう!~私の学校は私がつくる!~」を掲げる同校が、校内にプレーパークを設置した背景とは。地域にも開放しているというプレーパークの活動内容や子どもたちの変化、地域とのつながりとは。光華小学校・校長の眞砂野裕氏に聞いた。 【写真を見る】校庭の一角につくられた「光華小プレーパーク」 ここは、東京都昭島市立光華小学校の校庭の一角にある「光華小プレーパーク」。 そびえたつクスノキを囲むように、ロープで作られた大きなハンモックやバランスをとりながらロープを渡るモンキーブリッジ、ボルダリングで登ることもできる手づくりの木製すべり台、どろんこ遊びもできる砂場などが点在している。 放課後の時間帯に取材に訪れると、砂場近くの水道から水を出し、といをつたわせて思い思いに「池」を作る子どもたち(タイトル下写真)、ハンモックにねそべり、皆で空を見上げる子どもたち、木製すべり台を勢いよく滑り降りる子どもたちの姿があった。 「いったん家に帰ってから、友達と遊びにきたの」という1年生5、6人は、モンキーブリッジで、皆で一緒にバランスをとりながら渡っている。 一般的な校庭遊びとは異なり、決まった遊び方やルールに縛られることなく、自分の好きなように、自由にのびのび遊ぶ子どもたちの姿が印象的だった。
「まず、やってみよう! ~私の学校は、私がつくる!~」
「プレーパークが先にあったわけではなく、僕たちが作っていきたい学校の具現化の方法の1つとして、プレーパークがありました」というのは、昭島市立光華小学校校長の眞砂野裕氏だ。 プレーパークは、「冒険遊び場」とも呼ばれ、通常の公園のようにブランコやシーソーなど既存の遊具はなく、子どもたちが自由な発想で遊び、作りあげていく遊び場。全国に300カ所以上あると言われているが、NPO法人や地域の任意団体が運営しているケースがほとんどで、学校にプレーパークがあるのは類を見ない。 眞砂野氏は、2022年4月、同校校長に着任。学校教育目標を「まず、やってみよう! ~私の学校は、私がつくる!~」と掲げた。 「2030年、2040年と日本の未来を見据えたとき、子ども時代に骨太でたくましい主体性を育て、社会に出てからいつでもどこでも誰とでも自分の立ち位置が築けるような大人になってほしいと。チョーク&トークのような既存の学習も大切ですが、教員が働きかけて何かを引き出すのではなく、子どもたちが『やってみたい』と思ったことが存分にできる学校、『やってみたい』を支える教職員集団でありたいと考えました」 眞砂野氏は続ける。 「何回失敗してもOK、ちょっとの喧嘩もOK。私たち大人の役割は、事故などの危険性を排除しながら子どもたちの『やりたい』を見守り、後押しすることです。それを、子どもたち、教職員、保護者の方々に折に触れて伝えたり、対話の機会を設けたりしているうちに、『自分たちの学校は自分たちで作っていくんだ』という“空気感”のようなものが少しずつ醸成できたように思います」 PTAが主催した映画『夢みる小学校』の自主上映会に全教員で参加したり、「光華小の10年後について」をテーマに教員と保護者がごちゃまぜになって語り合ったりしたこともあったという。