遊びは学び、「プレーパーク」作った学校の大変化 教育目標を具現化!子どもの主体性は育つか
学校にプレーパークがあることで広がる可能性
「光華小プレーパーク」は、「“学校にある”プレーパーク」としての可能性も広がっている。 「焚き火ができる場所もあるため、生活科として、焚き火の火でさつまいもやマシュマロを焼いたり、図工の授業で土山や砂場を使って造形遊びをしたり、幼保連携の特別活動として、プレーパークで低学年の児童と幼稚園・保育園児が遊んだりなど、さまざまな授業で活用されています。 また、高学年では、プロジェクト型学習で、約5カ月かけて校庭の一部を活用してドイツのミュンヘンを起源とする日本版『子どものまち』を作っているのですが、街の一角にプレーパークを取り入れてプロジェクトを進めています。プレーパークができたことで、遊びと学びの掛け算が確実に広がりつつあります」
学校全体に広がる子どもたちの「やってみたい!」
さらに、「学校教育目標の『まず、やってみよう!』に呼応する形でプレーパークがオープンしたことで、子どもたちの『やってみたい!』が学校全体に加速度的に生まれ、形にしていく機会が増えてきています」という眞砂野氏。 「子どもたちが、しょっちゅう校長室に直談判にくるんですよ。昨年度の6年生は、『卒業前に、学校で宿泊体験がしたいです』と言ってきました。タブレットを持参して、たくさんのアイディアを出してきましたね。担任の先生とも連携をとりながら都合20回くらいの打ち合わせを重ね、3月に1泊2日の体育館宿泊体験を実現しました。当日の夜は予想以上に寒かったのですが、東日本大震災のときに近くの学校の体育館に避難した人たちの思いを想像したりなど、貴重な体験ができたと思います」 3年生の児童が「プールを使ってメダカを飼ってみたいです」と相談にきたり、6年生の児童が、学校を会場に保護者がワークショップなどを行うイベントを開催するにあたり「私たちにもワークショップを開かせてほしいです」と提案にきたりなど、校長室はにぎやかだ。 「子どもたちの『やってみたい』はいつでもウェルカム。『どんどん来なさい』と呼びかけています」 今後の課題は、「光華小プレーパーク」の理念や実践をいかに継続、定着させていくかだという。 「僕たち公立の教職員には異動があります。(異動により)誰かがいなくなったらプレーパークもなくなってしまうのは無責任だと思いますので、地域の方や保護者の方にも可能な限り運営に入っていただき、持続可能な形を模索していきたいと思います。また、子育てサークルさんなど既存の団体にもプレーパークを使いたいという希望があれば、その方々の責任の範疇で使ってもらえるようなしくみも整えていきたいですね」 眞砂野氏から「光華小スピリット」と書かれた1枚の紙を見せてもらった。 ~「光華遊学」を実現する学校のために~ ・ 子どもの「安心」を大切にします ・ 子どもの「よき理解者であること」を大切にします ・ 子どもの「やってみたい!」を大切にします ・ 子どもの「できそうだ!」を大切にします ・ 子どもと「一緒に楽しむこと」を大切にします ・ 大人も「心身共に健康であること」を大切にします (「光華小スピリット」より一部抜粋」) などと記されている。 「地域の方が発案してくれました。『先生方は入れ替わってしまうかもしれないけれど、地域、保護者、先生方みんなで共有する光華小の“魂”のようなものを明文化して、それを代々受け継いでいけたらいいですね』と、提案してくれました。そこで、教員の意見をもとに原案をつくりました。 この『光華小スピリット』は、先日、学校だよりで保護者・地域の方にお披露目し、意見をもらいました。これが完成形ではなく、今後も必要に応じて手を加えながら、新しい学びを本校に残していくための土台としていけたらと思います」