遊びは学び、「プレーパーク」作った学校の大変化 教育目標を具現化!子どもの主体性は育つか
学校としての方向性に人的、財源的リソースがマッチ
体育科の運動遊びが専門の眞砂野氏。「長年指導を重ねる中で、『教科としての体育』以外にも、『子どもたちが自由に遊びながら学ぶ体育』の世界があるのではないかと思っていました」という。 以前からプレーパークの存在を知り、その意義が、学校教育目標に通じる「子どもたちのやってみたいを大切にする」ということ、同校にプレーパークに知見がある教員が2名いたことから、校内にプレーパークを作るプロジェクトが具体性を帯びてきた。2023年5月頃のことだ。 「学校の予算内での実現は困難だったのですが、保護者の方、地域の方の協力をあおぎ、東京都が実施している『子供の「遊び」推進プロジェクト』に応募して採択いただき、プロジェクトをスタートさせることができました。 本校は、校内研究の主題に『光華遊学』を掲げています。遊学とは、遊ぶ学問。遊びと学びの掛け算で、子どもたちの主体性を最大限に生かしていこうという考えです。『光華遊学』の実現には、学校として目指す方向性に加え、人的リソースと財源的リソースのマッチングが不可欠でした。それらの条件が運命的に整ったことで、『光華遊学』を体現するプレーパークの建設が実現しました」
自分たちの場所になりつつある「プレーパーク」
2023年の夏休み明け。プレーパークオープンに向け、安全面への配慮を考え、まずは試験的にモンキーブリッジを作った。教員たちの見守りのもと、休み時間を利用して全クラスの児童に開放し体験させたところ、「これは大丈夫。いける!と思いました」という眞砂野氏。 「全クラスの子どもたちの様子を見守ったのですが、子どもたちは、『ちょっとこわい』と思ったら力をゆるめてみるなど、体を動かしながら自分の身体能力に合った遊び方を自ら見つけていくんです。子どもたちがやってみたいと思ったことを具現化できる場所になると確信しました」 2023年11月、「光華小プレーパーク」がグランドオープン。プレーパークの看板は眞砂野氏による手書きで、そこには「光華遊学」の思いがこめられている。 オープンして約8カ月経った現在は、教職員や地域の保護者に加え高学年の児童が低学年の児童を見守ったりしながら、朝の始業前の時間や休み時間、昼休み、放課後の時間帯に、同校の児童に開放している。保護者から定期的にボランティアを募り、長時間にわたって思い切り遊べる期間も設けており、その際には火おこしや焚き火も行い、他校児童や未就学児の保護者にも開放している。 「光華小プレーパーク」は、地域にも開放している。 「近隣の保育園の散歩コースとして園児が遊びにきたり、障害者の団体が、プレーパークは利用しないまでも校庭に訪れたりしています。他地区の歴史あるプレーパークさんと比べるとまだまだ道半ばですが、本校の児童にとっては『自分たちの場所』となりつつありますし、地域における『ボーダーレスな場所』になりつつあることを実感しています」