【陸上】「日本王者&日本記録保持者」落合晃と久保凛が世界に挑戦!4×100mRは西岡軸に連覇へ、永原、中谷ら最強布陣/U20世界選手権見どころ
「高校記録保持者」が世界にチャレンジ
「高校記録保持者」も代表にずらりと名を連ねる。 男子3000m障害には8分32秒12の高校記録保持者であり、日本陸連ダイヤモンドアスリートの永原颯磨(順大)が代表入り。同種目でパリ五輪8位と2大会連続入賞を果たした三浦龍司(SUBARU)が持っていた高校記録を昨年、2度にわたって更新。大学の合宿でしっかりと走り込み、「スピードの維持は以前よりもしやすくなった」と手応えを口にする。大学の先輩である三浦の五輪での活躍を刺激に、初の世界に挑む。 男子走高跳には地元・福岡インターハイで高校新Vの快挙を成し遂げた中谷魁聖(福岡第一高3)が出場する。インターハイでは高校記録を1cm塗り替える2m24をクリアし、大会最終日、最後の競技者として地元インターハイを見事に締めくくった。U20アジア選手権では2m19で銀メダルと、国際大会の実績も光る。 男子十種競技に出場するのが、八種競技の高校記録(6264点)を持つ高橋諒(慶應義塾大学)。八種競技で史上初のインターハイ1年生優勝を飾り、2年時にも優勝した逸材(3年時はケガの影響でインターハイ南関東大会を欠場)。大学入学後も関東インカレ1部優勝、U20日本選手権ではU20日本歴代2位の7445点で制覇と、さらに力をつけた。分厚い世界の壁を打ち破り、入賞ラインに絡めるか。 このほかにも、可能性を秘めた選手たちがそろった。男女10000m競歩代表の4人は、逢坂草太朗(東洋大)、吉迫大成(東学大)、奥野紗(浪速高3大阪)、久家すずか(金沢学院大)は4月の世界競歩チーム選手権で10kmロードながら世界を経験済み。逢坂、吉迫は4位、6位に入賞し、団体の銀メダル獲得に貢献。リマでは個人のメダルを目指した戦いとなる。 シニアが世界と渡り合うスプリントハードルも強力布陣だ。男子110mハードルは昨年のU20日本選手権、インターハイ2冠の山中恭介(法大)、今年のU20日本選手権3位の橋本悠(東農大二高3群馬)のコンビ、女子100mハードルはインターハイ2連覇の実績を持つ林美希(早大)と、U20日本選手権覇者の髙橋亜珠(筑波大)の学生コンビが挑む。特に髙橋は今季、U20日本歴代2位の13秒28、200mでも同歴代8位タイの23秒67を出した成長株だ。 女子400mハードルはU20日本選手権2連覇の平木陽(大阪成蹊大)、58秒58で同2位の矢島杏紀(所沢西高3埼玉)と、3大会ぶりのフルエントリーとなった。 男女中長距離は落合、久保、永原以外も好選手が顔をそろえた。永原の母校である長野・佐久長聖高勢からは、3000m・5000mの濵口大和(3年)、3000m・3000m障害の佐々木哲(3年)が名を連ねた。濵口はU20日本選手権で3000m・5000m2冠に輝き、福岡インターハイは1500mで高校歴代5位の3分43秒58をマークして日本人トップの2位。佐々木は福岡インターハイで、自身の高校歴代2位の記録を8分37秒23に更新して優勝を飾った。 5000mは今季好調の松井海斗(東洋大)、1500mは7月末に3分41秒41の自己ベストを出した寺田向希(中大)が世界のスピードに挑戦する。 女子では、1500mのドルーリー朱瑛里(津山高2岡山)に注目。4月のU20アジア選手権で金メダルを獲得し、日本選手権では7位に入賞と着実に力をつけている。3000mはU20日本選手権1、2位の山田未唯(名城大)と鈴木美海(筑波大学)、5000mは山本釉未(立命大)が出場する。 跳躍では走幅跳がおもしろい。男子は土屋拓人(聖和学園高3宮城)、大森恵偉音(福岡第一高2)、女子は橋本詩音(静岡雙葉高3)が代表入り。土屋は6月のインターハイ東北地区大会で今季高校最高の7m73をジャンプ。インターハイはケガの影響で欠場したが、その悔しさを世界の舞台にぶつける。大森はU20日本選手権優勝、インターハイでは三段跳を制している。橋本は、土砂降りとなったU20日本選手権でU20日本歴代9位タイ・高校歴代6位タイの6m29をマークした。 男子棒高跳はU20アジア選手権銀メダルの吉田陸哉(関大)、同4位の村社亮太(日大)、三段跳はU20日本選手権2連覇の金井晃希(順大)がエントリーした。 投てきは、男女を通じて女子やり投の櫻井希美(中京大)がただ1人登録された。岐阜・済美高校では2年時に学年別歴代最高の57m17を出し、インターハイ2位、国体とU18大会の2冠を獲得。昨年はU20アジア選手権で金メダルに輝いている。 同じ南米のコロンビア・カリでの開催だった前回大会では、男子4×100mリレーの金メダルをはじめ、メダル4、入賞7(メダル除く)の成績を収めた。南米屈指の大都市で、日本のホープたちがどんな戦いを見せるか。 大会の模様はU-NEXTで、ナイトセッションのみLIVE配信する予定だ。
月陸編集部