都が「カスハラ防止条例」制定へ……44.9%「したことある」 年齢や男女別の傾向は?“お客様は神様”影響か【#みんなのギモン】
■起きる背景に「サービス合戦」?
加納解説委員 「では、なぜこのようなカスハラが起きてしまうのでしょうか?」 「桐生教授は、その背景について『これまで日本のビジネスは競争が激しくなるにつれ、過度なおもてなしでサービス合戦をしてきた。しかしそうした今までのビジネスモデルが、人手不足もある中、時代に合わなくなってきた』と指摘します」 徳島アナウンサー 「お客さんも、『お客さんだから』『サービスだから』と甘えてしまっている部分もあるのかなと感じます。個々人が価値観をアップデートするだけでなく、こうした条例でしっかり従業員を守ってほしいなと感じます」
■ガイドラインで明記へ…想定される例は
加納解説委員 「東京都の条例では、具体例をガイドラインで示して禁止する方針です」 「長時間にわたって従業員を拘束すること、『バカ!』『アホ!』といった侮辱的発言、ネット上に名誉を棄損する情報、またはプライバシーを侵害する情報を掲載することなどを想定しています。ただ、罰則は設けない方向だということです」 刈川くるみキャスター 「具体例が示されることで、今までカスハラを受けてもなかなか声を上げられなかった人たちが『それはカスハラです』と言いやすくなるのかなと思うと、すごく良かったなと感じます」 「一方でカスハラをする側は悪いと思っていない可能性もあるので、罰則がないというのは大丈夫かな?と少し心配です」
■カスハラをしないために意識すること
加納解説委員 「桐生教授も、東京都の防止条例制定に向けた動きについて『今後は罰則を伴う法整備が必要になってくる』と指摘します」 「そして『その前段として、カスハラについてまずは罰則のない条例を作るというのは、法整備に向かって一歩進んだと言える』と評価しています。そして、消費者側の意識を変える必要があると話します」 「『お客様は神様、という考えはもはや時代遅れだと消費者も認識すべき。対等な立場で店や企業の方に感謝の気持ちを持つことが大切』と話します」 「桐生教授の調査では、『カスハラをしてすっきりした』と回答した人はほぼいませんでした。むしろ、嫌な気持ちが続いた人が多かったそうです。つまりカスハラは、した側もされた側も、見せられた人も嫌な思いしかしないということですよね」 藤井アナウンサー 「『お客様は神様という考えは、もはや時代遅れだと認識すべき』というお話がありました。お客様が神様のような人、おおらかな心を持ったお客様であってほしいです」 「週末に都営バスの1日乗車券を買って旅をするのが楽しみなんですが、200数十円で移動させてくれるわけですから、運転手さんに食ってかかるようなことはせず、『その一言は200円のサービスを超えたハラスメントだよ』と心の中では思っています」 加納解説委員 「桐生教授は『カスハラをしないためには立ち止まって我に返る意識、カスハラをしてしまったという自覚があるなら、謝る余裕を持つようにすることが大切だ』と話していました」 (2024年2月21日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)