三者三様の強さを見せる「コム デ ギャルソン」系列3ブランド、アクティブなスタイルにも上質感漂う「エルメス」 2025年春夏パリコレ日記Vol.5
いずれにせよ、「アン」らしい単品をちゃんと作り、それをコーディネートで今っぽく仕上げている好例と受け取りました。ミラノのセレクト、アントニオーリ・グループ(ANTONIOLI GROUP)の社内デザイナーとしてキャリアを積んだガリーチらしく、良い単品を作って、上手に見せているなぁと感心した次第です。
藪野:そうですね。ブランドの世界観が濃厚な分、それを体現するアントワープのブティックなどで見ると素敵だけど、セレクトショップの1ラックなど限られたスペースで表現するのは結構難しいと以前は感じていました。ですが、ステファノはそこを変えようとしているよう。カジュアルやストリートの要素を「アン」のスタイルに織り交ぜることで、より幅広い人が“着ること“をイメージできるようにしているのかなと感じます。そして、会場外やスタンディングにはファッション熱の高そうな若者がたくさん。これはデザイナーズブランドにとって結構大事なことで、その人気や注目度を示すバロメーターになると思っています。初日に披露した「ヴァケラ(VAQUERA)」とかでも同じようなことを感じました。
大進歩したショーン・マクギアーの「マックイーン」
本日のラストは、「マックイーン(McQUEEN)」。半年前のショーン・マクギアー(Sean McGirr)のデビューコレクションは、皆が抱いていたブランドのイメージからかけ離れたもので、正直ブランドの今後を案じていました。ですが今回、そんな心配を見事に払拭してくれましたね。コレクションの詳細は別途リポートをアップしているので下記をご覧いただければと思いますが、アーカイブを掘り下げることで、強さと脆さをはらむブランドへの理解が深まっていることを感じました。今後は、ラグジュアリーブランドとなった「マックイーン」に欠かせないバッグをはじめとするアクセサリーの提案強化にも期待したいところです。村上さんは、ショーンのショーを見るのは初めてでしたが、いかがでしたか?