三者三様の強さを見せる「コム デ ギャルソン」系列3ブランド、アクティブなスタイルにも上質感漂う「エルメス」 2025年春夏パリコレ日記Vol.5
村上:藪野さんはもちろん、ファーストシーズンを見た人が皆「大丈夫かな?」と心配していたので(苦笑)、「全然カッコいいじゃん!」って思ったのが率直な印象でした(笑)。人の死を叫び声で予告する長い髪の精霊バンシーという、アイルランドならではの着想源はいまだに掴みきれていませんが、検索すると「これが精霊?」とビックリしてしまうほど、コワイイラストもチラホラ。創業デザイナーのアレキサンダー・マックイーンが選んでもおかしくない、ダークファンタジーな着想源だったと思います。そこから生まれたのは、メゾンが自信を持つ力強いフォーマルと、反対に繊細なドレスの数々。ドレスに巻き付いた雲のように見えるのは、布を解いた糸の集合体でしたね。狂気じみたクリエイションで、美しいドレスを生み出す。マックイーンが乗り移ったかのような洋服と、健康的な肌見せやミニスカートなど若手デザイナーらしいY2Kっぽいムードが違和感なく同居していました。相当なお値段の洋服ばかりでしょうが、「マックイーン」のファンなら絶対買うんじゃないかな?そして、藪野さんのいう通りファンを広げるなら、次はバッグ&シューズに期待大ですね。