名前の由来は「ボブ」カット、時速約50キロで走り、泳ぎや木登りも得意なネコとは
北米大陸原産の野生のネコ科動物で最も広く分布し、数も多いボブキャット
ボブキャットはフワフワでかわいく見えるかもしれないが、イエネコのようなものだと考えてはいけない。オオヤマネコ属4種のうち1種で、平均的なイエネコの2倍ほどもあるどう猛な捕食者だ。 ギャラリー:ボブキャットの家族と過ごした奇跡の夏 写真12点 北米の大部分に生息し、森林、草原、湿地、砂漠など、多様な環境に暮らしている。都市の郊外に姿を現すこともある。北米で最も一般的なオオヤマネコだが、夜行性ということもあり、めったに見られない。
外見
ボブキャットはオオヤマネコ属の仲間であるカナダオオヤマネコ、スペインオオヤマネコ、ユーラシアオオヤマネコと多くの点で似ているが、いくつかの明確な違いがある。1つ目は短い尾で、「ボブ」カットに見えることが名前の由来となっている。尾の色も独特だ。ほかのオオヤマネコと同じく、尾の先端が黒いが、ボブキャットだけは尾の下側が白い。 オオヤマネコ属のなかではより小型で、耳の飾り毛も小さく、温暖な地域に暮らす傾向があるため、雪国での生活には適応していない。また、被毛が薄く、小さい足の裏には毛が生えていない。ほかのオオヤマネコはこれらの毛で保温し、雪や氷の上も滑らずに歩く。 ボブキャットの毛色は灰色から赤茶色で、黒い斑点があり、おなかは白い。この被毛で周囲の環境に溶け込み、獲物に忍び寄る。
食性と行動
ボブキャットの食性はほかのオオヤマネコより多様だ。カナダオオヤマネコはカンジキウサギ、スペインオオヤマネコはアナウサギなど、ほかのオオヤマネコは1つの獲物に的を絞る傾向がある。 ボブキャットは有能なハンターで、ウサギ、鳥、ネズミ、リスなどの小動物を補食するだけでなく、シカのようなはるかに大きい獲物を仕留めることもできる。優れた視力を持ち、遠くから獲物を見つけ、カムフラージュしながら忍び寄る。そして、そのときが来ると、長く力強い後ろ脚を使って最大約3.5メートル跳躍し、獲物に飛びかかり、喉にかみつく。川を泳ぐ大きなサケを捕まえたり、ニシキヘビの巣から卵を盗んだりする姿も目撃されている。 時速50キロ近いスピードで走れるだけでなく、泳ぎも木登りも得意だ。獲物を捕まえたり、見晴らしのいい場所に陣取ったり、危険から逃れたりするために木に登る。