カブスの上原浩治が示すアスリートの正しいブログの使い方
9月2日の試合を最後に登板のないシカゴ・カブスの上原浩治だが、20日、自身のブログで「順調に回復していたけど、シーズン内の復帰が難しくなったかな」と明かした。下半身の腫れや痛みが引いたが、腰と脇腹付近に異常が発生した。MRI検査を二度受け「一体どうなってんねん俺の身体」と嘆いた。 そのブログでは、「でも肘や肩を痛めたわけじゃないから、少し時間が経てば治るはず。いま、チームとは別行動で、自分はシカゴに残留してリハビリの日々。どうにかして、プレーオフのどこかで試合に投げれるようにしたいけど...。(中略)まだ前向きになるには時間がかかりそうだけど、いまやれることをやる。自分のために動いてくれてる人がいるんだし、そういう人に感謝しないと」と、素直な感情を吐露。まるで自らに言い聞かせるように、その一字一句にポジティブな決意をにじませた。 試合後に書いているであろうブログで上原は、配球やなぜそういう球を投げたかまでを書き記し、打たれたときには、その悔しさをさらけ出す。また、自分の状況を客観視しながら、自分を鼓舞したりもする。 以下、彼のブログから、いくつかを抜粋して引用するーー。 気持ちで負けてたらあかん。同じ人間がやってんだから、同じプロがやってんだから... 結果が出てない時、どうしたらいいかを自分で考えてやらないとね。 自主トレとか、考えてやってきてるんだから、何の為に一人でやってきてるのか... 自分を信じるしかない!(2017年6月11日) 先頭の四球が全てかな...(涙) でも、2-2 からの球をボールって言われたのが悔しい。 チャートとかを見ても、ビデオを見ても、枠に入ってるやん...... くそ~、終わったことやから返ってこない。いまだけ愚痴らせてください。(2017年7月2日) 悔しい...せっかくのチャンスだったのに。今回は、二点のビハインドでの登板。 そこを抑えてれば逆転のチャンスがあったのに、点を取られたことで士気が下がった... また先頭の一発。全然反省が活かされてないよね。毎回、同じことの繰り返し (涙) 中略 ナイターからのデーゲーム...^^; 嫌な、苦手なことだけど、そこに投げる機会が多い。 ここの調整の仕方だけは、いろいろ試してるんだけど、結果が出ないんだよなぁ。 いろいろ愚痴ったって、もう試合数は残りわずか...。 やるべきことをやる。もうこれしかないや。あれこれ考えても仕方ない。 とにかく結果が欲しい。もがきながら頑張ります! (2017年8月29日) これらはいずれもファンに報告するという体裁ではあるものの、先日ふと、こうして振り返る行為そのものに意味があるのではないか、案外、彼を支える要素になっているのではないかと考えた。それを國學院大學の人間開発学部健康体育学科助教で、スポーツ心理学を専門に教えている伊藤英之氏にぶつけると、肯定した。 「試合のパフォーマンスの結果や思ったこと、感じていたこと、考えたことなどを振り返ることは、スポーツ心理学の視点から見ても極めて重要なことです」