米挑戦3戦目の渋野日向子が予選通過も迷い込んだ袋小路
米本土でのツアーに挑んで3戦目。初戦となった今シーズンのメジャー第2戦、ANAインスピレーションは粘り強く、かつ高速のバミューダ芝。前戦のキャンビアポートランドクラシックと今大会は芽が強く、一日の間でも成長するポアナ芝と、日本では経験できないグリーンとも戦っている。 連覇を目指しながら予選落ちしたメジャー初戦、AIG全英女子オープン後にパッティングの際のグリップをクロスハンドに、要は左手を右手の下で握る逆手の形に変えた。ANAインスピレーションとキャンビアポートランドクラシックで予選を通過し、特に後者では全3日間にわたってアンダーパーをマーク。24位タイに入った後から握りを元の形に、いわゆるオーソドックスに戻している。 渋野によれば、クロスハンドグリップを取り入れた理由は「パッティングの際の悪癖を矯正するためだった」という。渋野の癖とはボールをヒットする瞬間に頭が動き、左肩も上がってしまう点を指す。試行錯誤を繰り返しながら、全英を制して日本人女子2人目のメジャー覇者となり、昨シーズンの日本ツアーで4勝をあげたときの強気なパッティングへ戻すのに機は熟した、と判断したのだろう。 もっとも、予選ラウンドを通じてティショットがフェアウェイをとらえたのは28ホール中で22ホールと、キープ率は78.6%に達した。キャンビアポートランドクラシック後に空いた1週間を利用し、練習を積み重ねてきた80ヤードから100ヤードのショットの正確性もアップし、36ホール中で27度にわたってパーオンにも成功した。75%に達したパーオン率に、渋野自身も手応えを感じている。 「ショットに関しては、最後の(18番の)3打目以外はよかったんじゃないかと。80ヤードから100ヤード前後の距離から、バーディチャンスにつける率がすごく高くなっていたし、実際に取れているホールがいくつかあったので、そこはすごく成長してきていると実感しました」