ラズガットリオグルの出場は不透明。地元イタリアのブレガに風が吹くか? | FIM スーパーバイク世界選手権 2024 第9戦 クレモナ プレビュー
ランキング首位不在の第8戦マニクールではレース1では得意のウェット路面を制してマイケル・ファンデルマーク(BMW)が今季初優勝。そしてスーパーポールレース、レース2はランキング2位のニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)が2連勝をマーク。鬼のいぬ間になんて言葉がありますが、しっかりルーキーのブレガが首位とのポイントを詰め、55点差に迫りました。これは1ラウンド全て優勝で飾った場合の62点より少ないポイント差です。
もし仮にトプラク・ラズガットリオグル(BMW)の回復が間に合わず欠場となり、ニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)が3連勝を飾ったとすると、ランキング首位は完全に逆転してしまうことになります。出場か欠場かはレース前のメディカルチェック次第ということになりますが、全く余裕のないポイント差になってきたと言っても過言ではありません。チャンピオン争いの行方は分からなくなってきてしまいました。
また、ランキング3位のアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)も第8戦マニクールのスーパーポールレースで転倒し、2レースを欠場。こちらも第9戦クレモナに出場できるかどうかはまだ不透明な状況で、一大事です。ランキングトップ3の内、2人が欠場となってしまえば、シーズンの流れは一気にルーキーのニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)に傾くことになります。
第9戦の舞台は初開催となるクレモナサーキット。イタリア北部の3.9kmのサーキットで、これまでイタリア選手権などで使われたことはありましたが、大きな国際レースは初めての開催となります。今は多くのWSBKライダーが元グランプリライダーであり、クレモナで大きな排気量のバイクでレースをしたことがありません。そういう意味では未知数ですが、ニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)にとっては母国での開催だけに、多少は有利にはたらくことになるのでしょうか。
今回のクレモナでのレースは怪我を負ったライダーたちの代役の出場も注目です。まず、元ワールドチャンピオンのジョナサン・レイ(ヤマハ)はレース1で負傷。今回は欠場となり、元MotoGPライダーで先週はYART YAMAHAでFIM世界耐久選手権・ボルドール24時間を戦ったニッコロ・カネパ(ヤマハ)が代役を務めることになります。