パリで行きたい美術館18選──定番から新名所、現代アートから新石器時代の装飾品まで【2024年版】
12. ギュスターヴ・モロー美術館
パリ9区のヌーベル・アテネ地区を代表するもう1人のアーティストは、象徴主義の画家ギュスターヴ・モロー(1826-1898)だ。1852年にモローの両親が購入したこの家は、1895年に建築家アルベール・ラフォンの協力で美術館に改築された。両親の生前、モローは2階部分(ダイニングルーム、寝室1室、書斎、廊下、事務所兼図書室)を共有していたという。モローのアトリエは当初は3階にあったが、後に最上階に移った。最上階へと続く美しいらせん階段は今も残っている。 モローは1897年、自宅を家具や作品とともに国に寄贈する意向を申し出て、4年後に受け入れられた。この美術館にはモローの絵画、水彩画、スケッチなど1300点と、デッサン約5000点が所蔵されている。 見るべき作品 ●ギュスターヴ・モロー《ユピテルとセメレ》(1895) ●ギュスターヴ・モロー《キマイラ》(1884) ●ギュスターヴ・モロー《プリテンダーズ》(1852) 基本情報 休館日:火曜日 入場料:8ユーロ 公式サイト:https://musee-moreau.fr/gustave-moreau-museum
13. ジャックマール=アンドレ美術館 ※2024年9月リニューアルオープン
パリ8区の宝石とも言えるジャックマール=アンドレ美術館は、収集家夫妻の邸宅だった建物にある。社交界で活躍していた画家のネリー・ジャックマール(1841-1912)が、あるとき銀行家のエドゥアール・アンドレ(1833-1894)の肖像画を描き、その10年後に2人は結婚。夫妻は毎年イタリアに行っては最高の美術品を持ち帰り、コレクションを充実させていった。アンドレが亡くなると、ジャックマールは自分たちの「イタリアの美術館」と呼んでいた邸宅の装飾を完成させ、芸術家としての視野を広げるためにアジアに旅立つ。亡き夫とともに立てた計画に従ってフランス学士院に遺贈された邸宅は、1913年に美術館として開館した。 現在も、美術館は当時のまま一般公開されている。エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン、ヴィットーレ・カルパッチョ、ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ、アンドレア・マンテーニャ、ジャン・オノレ・フラゴナール、サンドロ・ボッティチェリ、トマス・ゲインズバラの作品が、かつてと同じように飾られている様子を鑑賞できるのだ。1996年から美術館を管理している民間企業、キュルチュールエスパスは同美術館で多くの企画展を成功させ、趣のあるカフェを作った。カフェには、展示作家にちなんだメニューもある。 見るべき作品 ●エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン《カトリーヌ・スカヴロンスカヤ伯爵夫人の肖像画》(1790) ●フランチェスコ・グアルディ《想像上のポルチコ》(1760) 基本情報 休館日:無休 入場料:17ユーロ 公式サイト:https://www.musee-jacquemart-andre.com/en