パリで行きたい美術館18選──定番から新名所、現代アートから新石器時代の装飾品まで【2024年版】
14. カルナヴァレ美術館
パリのすべてを知りたいと思うなら、必ず訪れたいのがパリとパリの歴史をテーマとするカルナヴァレ美術館だ。元は、パリでもとりわけ古い歴史を誇るマレ地区に建てられた美しい邸宅だった。設計はピエール・レスコとジャン・グジョンだが、2人がルーブル宮殿の建設に召集されたため、1560年頃にジャン・ブラントが完成させている。カルナヴァレという名称は、1572年以降の所有者、ケルヌヴノワ夫人の名を、パリの人々が間違って発音したことに由来する。 1866年にはパリ市が買い取り、美術館の開館に向けて所蔵する品を集め始めた。収集品は市の公文書とともに市庁舎の金庫に保管されていたが、市庁舎は1871年に革命派による放火を受けている。その後、再び所蔵品の収集が始まり、現在その数は62万5000点を超えるまでになった。一木を彫った先史時代の船から、ボードワン・ド・ソワソンと画家ジャン・ド・ブルージュのものとされるドルマン・ボーヴェ大学礼拝堂のステンドグラス、アントワーヌ・コワズヴォのルイ14世像、コルベール・ド・ビラセルフ邸書斎の17世紀の木製レリーフまで、幅広い展示品を見ることができる。 見るべき作品 ●アントワーヌ・コワズヴォ《ルイ14世像》(17世紀ごろ) 基本情報 休館日:月曜日 入場料:無料 公式サイト:https://www.carnavalet.paris.fr/musee-carnavalet
15. ロダン美術館
ロダン美術館は、年間約70万人が訪れるパリで最も人気のあるスポットの1つ。その建物、オテル・ビロンはパリの代表的なロココ建築だ。近代彫刻の父と呼ばれるオーギュスト・ロダン(1840-1917)が20世紀初頭に活動の拠点とした場所で、現在はロダンの作品のほとんど(彫刻6600点、写真とデッサンがそれぞれ8000点、その他のゆかりの品7000点)が保管・公開されている。オテル・ビロンは1727年に建築家ジャン・オベールによって建てられ、一時期はルイ14世の義理の娘にあたるルイーズ・ベネディクト・ド・ブルボンが所有していた歴史を持つ。ロダンは、20世紀初めにアトリエとしてここを借りている。 ロダンは、オテル・ビロンが自らの作品を恒久的に所蔵・展示する美術館となることを条件に、コレクションを国に寄贈することを計画していたが、残念ながら実現の2年前に他界した。現在、敷地内の約3万平方メートルにおよぶ庭園には、ロダンの彫刻がそこかしこに配され、ロマンチックな雰囲気の中で散策ができる。2005年に修復された19世紀の礼拝堂は、企画展の会場に使われている。 見るべき作品 ●オーギュスト・ロダン《考える人》(1903) 基本情報 休館日:月曜日 入場料:14ユーロ 公式サイト:https://www.musee-rodin.fr/en